「デジタル化ありき」ではない リクルートの新規事業リクルートライフスタイル浅野健社長×BCG杉田浩章代表

Airレジは、最初4人で始めました。万一、レジが壊れたらお店に迷惑がかかるから、副業で飲食店をやっている社員に頼んで参加してもらいました。そうしたら「めちゃくちゃ便利だ」となって商品化できたのです。

浅野氏(左)と杉田氏

試してうまくいったので、ライフスタイルの役員会に進み、さらに進んだのでホールディングス全体の事業として予算化しました。具体的には、13年5月に企画がスタートし、7月にプロトタイプをつくり、11月にはホールディングスに起案しました。

杉田:新商品開発の成功にはエンジニアとの連携が重要です。Airレジは、かなりのスピードで誕生しましたが、エンジニアと営業担当者はどのように動いたのですか。

浅野:部署は違いますが、とても近い場所で動いています。エンジニアって結構「自分たちのことを誰もわかってくれない」と思っているんですけど(笑)、本当にいいものを作りたいと思っている人は営業担当者に意見を聞きたいと考えるものです。実際に顧客に向きあっているのが営業担当者だからです。一方の営業担当者も、自分たちの売っている商品が万能だとは思っていません。顧客の不満があれば、改善したいと思うから持ち帰ってエンジニアと議論します。

当社では、エンジニア採用の人にも、営業を1日体験してもらっています。顧客と何をどのように話しているか知ってもらうためです。「デジタル化しなくちゃ」といった意識でなく、現場に日々向き合う営業担当者とエンジニアが密接に話すからこそ、現場の課題を解決できる商品が生まれているんだと思います。

浅野健
1992年リクルート(現リクルートHD)入社。2015年4月、リクルートライフスタイル社長に就任。17年4月よりリクルート住まいカンパニー社長を兼任。現在に至る。
杉田浩章
東京工業大卒、慶応大経営学修士(MBA)。日本交通公社(現JTB)を経て1994年からボストンコンサルティンググループ勤務。2016年1月に日本代表。愛知県出身。近著に「リクルートのすごい構“創”力」(日本経済新聞出版社)がある。

(松本千恵)

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら