点検・うたた寝専用枕 壁にもたれ派か、突っ伏し派か

日経トレンディネット

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今、うたた寝は意識的に行う時代だ。昼寝を推進する「お昼寝制度」を取り入れている企業も増えているという。そこで、椅子や机の前で寝るために作られた枕を2種類紹介する。うたた寝用枕はちょっとしたときに使う簡易的なものではなく、機能を考えられた寝具の一つになっているのだ。

首コリしにくい設計

トラベル用やうたた寝用の枕専門メーカーと呼んでもいいほどに、さまざまな画期的な枕を発表している、スペインのデザインスタジオ、BANANA THINGSによる最新作、「オーストリッチピロー GO」。BANANA THINGSは、2012年にフルフェイスのヘルメットの上にさらにパーツがくっついたような大きな「オーストリッチピロー・オリジナル」を発表以降、どんどん小型化、シンプル化してきた。ラインアップの中でもコンパクトなオーストリッチピロー GOは、オフィス用のうたた寝枕としてだけでなく、トラベルピローとしても使える。

BANANA THINGS「オーストリッチピロー GO」(8990円)
カバーは外して洗濯できるから、清潔に使い続けられる

基本的には、よくあるトラベルピローのように、首に巻き付けて使うタイプ。巻いてマグネットで留めるというシンプルな構造だから、かつての製品のような「どうやって使うんだ、これ」的な戸惑いはない。そして、首に巻けば、その形状から、どう寝たら快適かがすぐ分かる。自分がどういう態勢で寝れば快適かが見た目で分かれば、スムーズに睡眠に入れるというものだ。

首に巻いてみると分かるが、右側が上方に出っ張っているので、基本的には右側の壁に身体を預けると、オーストリッチピロー GOがうまい具合に肩から首をサポートしてくれて、かなり快適な睡眠ポジションがとれる。これなら、2時間くらいは平気で寝ていられる。記憶形状クッションのおかげで、柔らかさとサポート力のバランスが良く、適度な反発が気持ち良い。一方、左側は頭を預ける場所がないので、オフィスの椅子などに座って寝るときには首を左に傾けて、そのまま耳を乗せて寝る態勢がベストだ。使ってみるとうまく作ってあるなあと感心した。

このように首に巻いて使用する
左側の低いクッションは、首を傾けて寝るときの支えになってくれる
右側の高くなっているクッション部分は、壁などに寄り掛かって寝るときに使うと気持ちいい

首に巻いたときのアゴのポジションを調整しやすいのも魅力。アゴをどうサポートするかは、かなり好みが分かれるところなので、自分で調整できるのは助かる。もちろん、カバーを外して洗濯もできるし、大きさのわりには軽量だ。形がフレキシブルなので、ポーチに押し込めば、ちょっと大きいけれど旅に持っていくこともできる。

後ろに寄り掛かるときの枕にもなる

寝ているときに首が冷えないので、クーラーが効いた部屋でも安心して寝られることにも感心した。肩がこることもなく快適に起きられる。さすがは専門メーカーだと思う。ユーザーフィードバックがしっかり反映された製品作りの姿勢を感じる。

突っ伏し寝専用、腕にも腰にも

「ナピロー」は、昼寝用デスクピロー。マットレスメーカーのエアウィーヴが、仕事中に机で昼寝するために作った枕だ。学生時代、授業中に寝ていたときのように、机に突っ伏して寝る姿勢に対応している。カバーは綿100%で洗濯も可能。中材もポリエチレン100%の通気性の良いモノを使っていて、こちらも洗濯可能だから、長期間、清潔に愛用できるわけだ。

エアウィーヴ「ナピロー」(6480円)。マスコット感があるデザインは愛嬌があっていい
こうやって寝る。意外に快適なのだ、これが

構造はとにかくシンプル。長方形の細長い中材をカバーで覆って面ファスナーで留めているだけ。側面中央に目のようなワンポイントが付いていて、マスコット感を演出している以外は、細長い座布団のようなものだ。これを、くるりと巻いて面ファスナーで留めて筒状にすれば準備完了。筒の中に片腕を差し込んで、そこを枕にすれば、気持ち良く昼寝ができる。

伸ばすとこのくらいの大きさ。向かって右手側にある2列の面ファスナーで、筒状に固定する

要するに、腕枕カバーなのだ。しかし、腕を差し込んだときのクッションの高さが頭を置くのにちょうど良く、またクッションは意外に弾力があって、腕への負担を軽くするとともに、頭への当たりも心地良い。クッションの弾力がちょうどいいのか、頭のホールド感も悪くない。頭を支えて机の上に頭を乗せるだけのスペースが必要なので、仕事机で寝るのは難しいかもしれないが、椅子と机さえあれば、ちょっとした仮眠がラクに行えるのは魅力的。側面に付いた目のような模様が、筒状にしたときに生き物っぽい感じに見えて妙にかわいらしいのも、使おうという気にさせてくれる。

基本形が細長いクッションなので、例えば、椅子の腰の部分に当てて背中をサポートするクッションとして使ったり、机に広げて置いて、ハンドレスト、アームレストとして使うことも可能。筆者が最も気持ち良かったのは、枕としてではなく、背中用のクッションとしてだった。ハンドレストとして使うには、やや幅があり過ぎるけれど、ひじを付いたりするのにちょうど良い。案外、考えごとするときには向くのかもしれない。

背中用のクッションにも。これが実はとても快適。少し固めのクッションの具合がちょうどいい

もちろん、たっぷり睡眠時間を取れれば問題はないのだが、仕事中でもピンチになったら寝ても良いという考え方が当たり前になるのは悪くない。忙しいから使うというより、のんびりするための道具として、こういうツールが普及するのが理想なのだろう。その前に、寝やすい良い椅子を使わせてくれという気もするけれど。

(文・写真 納富廉邦)

[日経トレンディネット 2017年8月18日付の記事を再構成]