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ハウステンボスの向こうに広がる大村湾。会社は湾内の無人島を購入した

ハウステンボスの向こうに広がる大村湾。会社は湾内の無人島を購入した

長崎県佐世保市のテーマパーク、ハウステンボスは、エイチ・アイ・エス(HIS)の沢田秀雄氏が社長に就任した2010年以降、様々な新しいアトラクションやイベントの数々で話題をつくってきました。その新たな成長の起爆剤としてカジノが注目されています。16年12月にカジノを中心とする統合型リゾート(IR)整備推進法(カジノ法)が衆議院で成立したのを受け、具体的な規制やルールを定める実施法案の準備も進んでおり、カジノ解禁がにわかに現実味を帯びてきたからです。ベンチャー起業家はカジノをどうみているのでしょうか。

カジノ、地元の期待集める

衆院でずっと審議継続扱いだったカジノ法案が通り、3~5年後にはカジノが開業する可能性が出てきました。ハウステンボスはその候補地に選ばれる可能性が非常に高いと思います。できれば、日本で最初のカジノにしたいし、20年の東京五輪の前に開業できればいいなと思います。

こんな見通しを持つ理由のひとつは地元の姿勢です。佐世保市の朝長則男市長や長崎県の中村法道知事は誘致に積極的で、気合いが入っています。カジノ招致のために官民でつくった組織「西九州統合型リゾート研究会」が先日、専門機関の予測として「年間来場者数は675万人で、カジノの収益は1000億~1200億円に上る」という数字を公表しました。これとは別に約1100人の雇用誘発効果があるという試算もあります。

ハウステンボスへのカジノ招致に地元の期待は高まる一方だ(長崎県の官民でつくるカジノ招致活動団体の総会)

ハウステンボスへのカジノ招致に地元の期待は高まる一方だ(長崎県の官民でつくるカジノ招致活動団体の総会)

長崎県は過疎や少子化で人口が急速に減っています。カジノができれば、利益の半分程度は佐世保市と長崎県に落ちるわけで、財政を豊かにする絶好の機会なのです。経済界でも地域の経済活性化への期待が大きいのです。

もうひとつの理由は、ハウステンボスという土台が既にあるという強みです。そもそも政府の目指す「IR」とは「Integrated Resort」の頭文字で一般には「統合型リゾート」と訳しています。カジノだけでなく会議場やホテル、テーマパーク、スポーツ施設などを備えた総合リゾート施設のイメージです。カジノだけではIRとは呼べません。家族で来て、子どもはテーマパークなどで楽しく過ごし、大人はカジノで楽しむといったことができないといけないのです。

ハウステンボス、リゾートの蓄積が強み

こう考えるとハウステンボスはIRにぴったりです。総額2500億円もかけた施設が既にあるんですから。だから他の候補地より可能性が高いと思えるのです。もしカジノ誘致が成功すれば、施設は園内に設置する方針です。新たなホテルの敷地も確保しています。(ハウステンボスが面する)大村湾の無人島を当社が購入したことから、そこにカジノを設けるのではないかといった観測も出ていますが、許認可や輸送の問題などが複雑になりそうなので考えていません。

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