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LINEのAIスピーカー 音声認識は不完全だが新鮮

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日経トレンディネット

「Amazon Echo」の販売台数が2016年の11月で500万台を突破するなど、米国でブームを巻き起こしているスマートスピーカー。米Googleも「Google Home」の販売を開始し、米Appleも2017年中に参入する。一方、国内では言語の壁からか有力企業から日本語対応のスマートスピーカーはまだ登場していない。そんな中、先行体験版ではあるが、LINEが日本語対応のスマートスピーカー「WAVE(ウェーブ)」を出荷した。家電などに詳しいライター、小口覺氏に使用感を聞いた。

17年8月末、LINEのスマートスピーカーWAVEの先行体験版が自宅に届いた。当初の予定は、7月下旬から8月上旬発送で、遅れが生じてこのタイミングとなったわけだが、その完成度と実用性はいかに? 先行体験版のメイン機能である音楽再生機能やLINE MUSICとの連携機能を中心にレポートしよう。

UFOのような近未来的浮遊感

まずはWAVEの外観からチェックしていこう。

本体は上に行くほど直径が小さくなる円錐形をしている。重さは約1kgあるので、手が当たった程度のことで倒れることはない。本体側面の底に近いシルバーの部分は、音声コマンドを認識する準備ができたときや音楽再生時などはLEDが点灯する。点灯していると、なんとなくUFOのような浮遊感がある。

本体の正面にはマイクのオン/オフボタンと電源ボタンがあり、それぞれ点灯する。上部にはタッチボタンの音量調整ボタンや再生・一時停止ボタンなどが配置されている。本体の大部分が、スピーカーによく使われているネットで覆われているからかもしれないが、全体に安っぽさは感じられない。

本体以外の付属品は、電源ケーブルとACアダプター、購入者へのレター(A4サイズ1枚)、および9センチ角ほどの小さな取扱説明書(および保証書)のみ。製品が届く前に、「LINE FRIENDS」のアカウントや登録したメールアドレスあてに、アプリのダウンロード先や初期設定について説明したサイトの案内が送られてきていた。初期設定に紙の厚いマニュアルを必要とするような人は、まだスマートスピーカーやAIスピーカーを使うには早いということだろうか。

設定は専用アプリで実行

WAVEの初期設定は、スマートフォン(スマホ)の「LINE Clova」アプリから実行する。細かな設定方法は写真のキャプションで確認してほしいが、LINEにログインすると自動的にWAVEを検出するので、BluetoothやWi-Fiで接続する。ここまでは、多くのIoT機器に共通するセッティングだ。

初回は、本体のアップデートが必要で、それまでは音声コマンドは使用できない。電源につないだ状態で放置していると、数分ほどでアップデートが完了した。

WAVEで音声コマンドを使うために発する言葉は「クローバ」だ。スマートスピーカーの製品名がWAVE、AIの名前がClova(クローバ)で、これは「Amazon Echo(アマゾン・エコー)」の「Alexa(アレクサ)」や、iPhoneの「Siri(シリ)」と同じ位置づけである。

「クローバ」と声に出すと、WAVEの下部が緑色に点灯し「ポロン」と音が鳴る。続けて、音声コマンドを発する。マイクの感度は割と高く、つぶやくように言っても認識することがほとんどだ。広い部屋でも、人の耳に聞こえる程度の声なら認識する。

例えば、「今日の天気は?」と言えば、「本日31日東京都中野区の天気は雨でしょう。最高気温は23度、最低気温は18度の予想です」のように返ってくる。音声コマンドを認識するとLEDは白く光る。

LINEユーザーなら、「クローバって誰?」と疑問に思うのではないだろうか。どうせなら、ブラウン(クマ)やコニー(ウサギ)などのLINEキャラクターの名前で呼べればいいのにと思った。なお、アプリの設定を見ると、呼び名はクローバのほかにジェシカも選択できるようになっている。調べるまで知らなかったが、ジェシカはコニーの友人という設定のネコのキャラクターだ。

音声コマンドをオンにするための言葉なので、あまりメジャーな単語では混乱をきたすだろう。クローバやジェシカなら、一般的な日本人は日常会話ではほとんど発しない。あえて言うなら、「ももいろクローバーZ」のファンぐらいだろうか。試しに、声に出してみたところWAVEは反応した。ファンはももクロと略しているから問題ないのかもしれない。「あいつも"苦労ば"してるよって」と方言っぽく話しても認識した。

音声で音楽プレーヤーを操作

現状、音声コマンドで使える機能はそれほど多くない。音楽再生、天気や時刻の案内、アラームの設定、Bluetooth接続のオン/オフぐらいだ。その中で、もっとも実用的なのは音楽再生の機能だろう。

「音楽を再生」などと言うと、音楽を自動で再生する。音楽再生に使われる曲は、スマホの中に入っている楽曲データではなく、LINEが提供する定額制音楽配信サービス「LINE MUSIC」の楽曲だ。

「次の曲」や「ボリュームダウン」「音楽をストップ」など、音楽プレーヤーの操作はすべて音声で行える。さらに「ジャズを再生」「リラックスできる曲を再生して」など、音楽のジャンルやテイストを指定しても再生できる。

曲の再生中に、「曲名を教えて」と言うと、アーティスト名とタイトルを音声で教えてくれる。もちろん、アーティストや曲名を指定しての再生も問題ない。また、スピーカー自体の音質は、それなりのサイズと重量があるだけあって、低音域もしっかりと出ている。

LINE MUSICは有料のサービスだが、先行体験版の特典として、6カ月の無料チケットがついてくる。このチケットはLINEアプリを通じて、LINE FRIENDS STOREから送られてくる。LINEの画面から手続きページに移動し、指定された12桁のクーポンコードを入力するだけで、使い始められる。LINE MUSICのプレミアムプランの料金は月額960円なので、かなりお得感がある。

ただ、このクーポンコードがコピー&ペーストできないせいなのだが、入力後に「コードが認証されませんでした」と表示されて困ってしまった。目を皿のようにして、何度も英数文字を確認しながら入力するも、「コードが認証されませんでした」と表示されてしまう。誰かにクーポンコードを使われてしまったのだろうかとあきらめたのだが、翌日確認したところ、WAVEでLINE MUSICの曲が再生できるようになっていた。ユーザーの混乱を避けるために、「すでに認証されました」「すでにクーポンは付与されています」といったメッセージに変えるべきだろう。

基本的にはLINE MUSICの使用が前提となるが、それ以外の音楽を楽しむのには使えるだろうか。Bluetooth接続し、スマホのワイヤレススピーカーとして使ってみたが、筆者の環境では、LINE MUSICの再生に比べて音量がかなり小さくなってしまった。音量調整のストレスがたまるので、ここもぜひ改善してほしい点だ。

音声認識の精度に課題

話をLINE MUSICとの連携に戻そう。

アーティスト名や曲名を指定するには、「○○を再生」と話す必要がある。曲名だけでは再生は始まらない。海外アーティストの場合、発音に厳密さを求められるのではないかと思ったが、日本人的なカタカナ発音でまったく問題ない。「アリアナ・グランデ」も「ラ・ラ・ランド」も一発で認識した。

読み方が分からないアーティストや曲名は当然だが再生できない。筆者は、海外アーティストの読み方も知らずに聞いていることが多いので、これからは意識してアーティスト名を覚えようと思った。

同じ名前の曲がある場合は、「アーティスト名+曲名」で指定することになる。試しに「卒業を再生」と言ったところ、「何か理由でもあるのでしょうか」「そう思う時ってありますよね」などと返された。

「斉藤由貴の卒業を再生」と言うと、「おめでとうございます、明日が良い思い出となるといいですね」などと返される。何度言っても通じないので、LINE MUSICに登録がないのかもしれないと思ったが、アプリではちゃんと存在していた。Siriのような会話をする機能が邪魔になった形だ。ちなみに、「尾崎豊の卒業」はちゃんと再生してくれた。しかも、ライブバージョンで…。

この他にも、「ジャズを再生」で、「えっ、徳川埋蔵金などは私には探せそうにないですね」と返されることもあった。どう聞き取ったのか謎だが、ボケる前にやるべきことがあるだろうと思ってしまう。

また、「クローバ」と言わないのにWAVEが起動することもある。普通に会話していたところ、突然「そうなんですね」と相づちを打たれたり…。

相づちはときどき打つ仕様なのかもしれないが、まだまだ音声認識は不完全な部分もある。だが、声で音楽を再生できるのは新鮮な体験だった。特に便利に感じたのは、音楽のストップやボリュームダウンが音声でできること。家事や仕事で手が離せない状態はもちろん、来客や電話がかかってきた際に、スマホなどを触ることなく音楽を止められるのだ。また、わが家では子どもが音楽を大音量でかけるので注意することがあるが、WAVEなら子どもに対して声を荒げることなく、自らの音声でボリュームを下げさせることができる。

この秋に発売されるという正式版では、LINEのトーク機能やニュースの読み上げ、赤外線リモコンによる家電コントロールも実装されるという。いずれは無料通話にも対応するのであろう。すでにBluetoothスピーカーを持っているなら、1万5000円(正式版、税込み)の追加投資は高く感じるかもしれないが、LINE MUSICの利用者であれば音声で操作できるスピーカーとしての利用価値は十分にある。スマホがなくても使えるため、子どもや高齢者のための音楽環境としても最適だろう。

2017年中には「Amazon Echo」も日本に導入されると噂される中、LINEのトーク機能以外でどう差異化できるかがWAVE普及のカギとなるだろう。メッセージアプリにおけるスタンプのようなキラー機能の登場に期待したい。

(写真・文 小口覺)

[日経トレンディネット 2017年9月8日付の記事を再構成]

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