リーダーが語る 仕事の装い

スーツに「キティ」のかばん ミスマッチが対話を生む トーキョーオタクモード会長 亀井智英氏(上)

2017/10/15

「もちろん、僕はTPO(時、場所、場合)に合わせてスーツも着用します。特に日本では、銀行の方や取引先の出版社幹部、企業経営者などにお会いするときは正装です。ただ、『オタクモード』という仕事の印象が強いのか、かちっとした装いを期待されていない場面も結構あるんですよ」

「クールジャパンの推進に関する政府委員会の会議に呼ばれた時のことです。企業経営者が何人もいらっしゃる、大臣も参加なさると聞いてスーツで出かけたのですが、他の委員からは『なんでスーツなの?』と言われました。『亀井くん、仕事がソフトコンテンツを売ることなんだからカジュアルで来たらいいのに』と。2回目の会議にはパーカーを着て参加すると『おまえ、心得たな』と言う感じで受け止められました」

■装いは相手と打ち解けるきっかけづくり

――もともとファッションへの興味はありましたか?

「ファッションは相手と打ち解けるきっかけになる」と話す亀井氏

「会社員時代は、広告業界ということもあって先輩や仕事相手と会う中で刺激を受けました。30歳代に入って経営者に会う機会が増えると、『この人の着こなし、かっこいいな』とか。自分なりに勉強しました。美容院や喫茶店で読む雑誌の記事をよくメモしましたよ。オーダー紳士服店の麻布テーラーや百貨店の紳士服売り場でスーツを作ったことも何回かあります。1着で30万円はいかないくらいの、何とか手の届く範囲です」

「僕は今年、40歳になりました。社会人になったころは、世の中がスーツ一辺倒からカジュアルも認められるようになった時代に変化しつつありました。スーツといえば、一般に制服の感覚があります。何を着るかを選ばなくていいから『楽だ』と思える部分がある。一方で『もっと個性を出したい』という欲求もありますよね。装いのルールの大枠を守りながら、自分の個性を盛り込みたいという気持ちは若いころから持っています。今でも、仕事で人に会うときなどは、ちょっとした工夫で個性が表れるようにしています。そのときのポイントの1つが『相手と打ち解けるきっかけづくり』の視点です」

――ファッションでコミュニケーションを取るわけですね。

「ゲームやアニメといった文化や娯楽関係の業界の人に会うときは、Tシャツやスニーカーでクールなデザインのものを選ぶ。そうすると相手に『この人は、こういうのが好きなんだ』と思ってもらえる。心を開いてもらう可能性が高まります」

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