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『プリズン・ブレイク』8年ぶりに復活 初登場1位

2017年8月 海外ドラマ月間レンタルランキング

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NIKKEI STYLE

大ヒットシリーズの復活が相次ぐレンタル市場。7月度に『24 -TWENTY FOUR- レガシー』が1位となったのに続き、8月度は『プリズン・ブレイク』シーズン5が初登場1位に。『24』の新作が往年のファンである40代以上に人気なのに対して、『プリズン・ブレイク』の新作は若者も取り込んでいるのが特徴。世代を超えて支持されている。

『プリズン・ブレイク』は全米FOXネットワークで2005~09年に放送されて、脱獄のサスペンスと兄弟愛のドラマが人気となり、世界中で大ヒットした。

無実の罪で収監された兄を救うために、IQ200に迫る天才の弟が自ら刑務所に入り、仲間と共に脱獄を決行するというストーリーだ。建築技師として刑務所の工事にかかわった弟は、脱獄のための情報を上半身にタトゥーにして彫り込んでおり、その斬新なビジュアルも話題を呼んだ。

弟マイケル役のウェントワース・ミラーは、甘いマスクが女性ファンを魅了して、本作で大ブレイク。米エンタテインメント・ウィークリー誌で「最もセクシーな男性」に選ばれるなど、ドラマ界のイケメンスターの代表格となった。海外ドラマから新たなイケメンスターが発掘されるというトレンドの元祖的な存在である。

彼が演じる弟マイケルは、前シーズンで愛する女性サラを脱獄させるために、自らの命を犠牲にしたため、シリーズは終了した。

ところが、8年ぶりにシリーズが復活。4月からシーズン5の全米放送がスタートした。実はマイケルが中東イエメンの獄中で生きているらしいという衝撃の情報から物語は始まる。中東のイエメンでの脱獄と国外脱出とあって、スケールが過去最大に広がったのが見どころだ。モロッコ、ギリシャとシリーズで初めて北米以外でロケを遂行。脱獄の難易度も格段にあがり、これまで以上に緊張感が持続する。

キャストは、弟役のウェントワース・ミラー、兄役のドミニク・パーセル、悪友として人気の高いティーバッグを演じるロバート・ネッパーらのオリジナルメンバーが勢ぞろい。スタッフも、製作総指揮・企画・脚本のポール・シェアリングをはじめ過去シーズンのメンバーが数多く参加している。

兄弟愛や家族愛に普遍的な魅力

海外ドラマは、往年の大ヒットシリーズが相次いで復活している。16年は『X-ファイル』が13年ぶりに復活して、『X-ファイル2016』として全米で放送。今年1月には『24』の新作『24 -TWENTY FOUR- レガシー』の全米放送が始まった。いずれも日本のレンタル市場でも好調な成績をあげた。

TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏によると、『プリズン・ブレイク』シーズン5は、『24』『X-ファイル』の新作を超えるレンタル回数を記録する人気だという。

その要因は、『24』『X-ファイル』の新作を借りたのは往年のファンである40代以上が中心だったのに対し、『プリズン・ブレイク』は往年のファンに加えて、10~20代の若者層からの支持が高いことだ。シーズン5がリリースされた直後の3週間とそれ以前の3週間を比べると、シーズン1第1巻のレンタル回数は68%増となった。レンタル利用者の42%が10~20代の若者だったという。

「『プリズン・ブレイク』の最盛期を知らない世代が、最新シーズンのリリースをきっかけにシーズン1から後追いで見始めています。まさに世代を超えて支持される傑作ドラマの完全復活という印象です」(中山氏)

世代を超える人気の秘密は、脱獄までのタイムリミットが迫るスリルとサスペンスに加えて、兄弟愛や家族愛、友情といった人間ドラマが濃厚に描かれている点だろう。ウェントワース・ミラーは、「それぞれのキャラクターの家族や人間ドラマをしっかり描いている点が、シリーズを通した魅力だ」と語っている。国際テロという時事性が色濃く反映されているアクションドラマの『24』に比べ、時を経てもあせない普遍的な人間ドラマが主体である分、幅広い世代を取り込めているようだ。

全米では、復活ブームが依然続いている。5月からは『ツイン・ピークス』新作の全米放送がスタート。『X-ファイル』も新作の製作が発表され、『24』もキャストを変えてシリーズが継続する見込み。この流れは、しばらく続くことになりそうだ。

(日経エンタテインメント!小川仁志)

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