アクティブ投信選び 過去の好成績は無意味って本当?QUICK資産運用研究所 北澤千秋

運用者の手腕が評価できる例として、吉井氏が挙げるのがDIAM国内株オープン(アセットマネジメントOne)だ。2000年に運用を開始した比較的古いファンドだが、約5年前にファンドマネジャーが交代して以来、市場平均を大きく上回るリターンを上げるようになった。

JPMザ・ジャパン(JPモルガン・アセット・マネジメント)もファンドマネジャーの腕前には定評がある。13年には販売会社が広がり一気に大量の資金が流入、それを機に一時期リターンは低迷したが、資金の出入りが一段落したこの1年ほどは、運用もかつての調子を取り戻している。

このほか、ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)やJリートオープン(野村アセットマネジメント)などもファンドマネジャーの手腕が好成績を支えている。これらの投信は運用担当者が代わらないかどうかが最大のチェックポイントになる。

運用哲学が評価できる例が、朝日Nvestグローバルバリュー株オープンだ。割安株投資で有名な米ハリス・アソシエイツが実質的に運用し、企業価値に比べて株価が割安な銘柄だけに厳選投資している。00年の設定以来、運用担当者は2度代わったが、「運用哲学と運用手法はぶれないので不安はない」(吉井氏)という。

ただし、割安株投資の常で、相場全体が上昇する局面では成長株に投資するファンドなどと比べ、成績は劣後する傾向がある。ファンドにはそれぞれ得手、不得手な市場環境があり、どんなときにも好成績を上げ続けるのは難しい。

そんな投信の弱点を、商品の仕組みで補おうとしているのがラッセル・インベストメント外国株式ファンドだ。マルチマネジャー方式といって、割安株投資のハリス、成長株投資の米ニューメリック社といった特色のある運用会社を組み合わせ、どんな市場環境でも安定した成績を上げることを目指している。

過去を知れば安心して保有できる

吉井氏は「それぞれのファンドの強みや特徴を知ると、長期で保有するときの安心感につながる」と話す。

例えば、中小型株相場の上昇に乗って今は運用好調のAR国内バリュー株式ファンド(アセットマネジメントOne)。中小型株相場が変調をきたしたときが心配になるが、05年に運用を始めたマザーファンドは06年のライブドア・ショックのときにも下げ幅は限定的だった。「運用成績が悪くなってもその理由が明確で、さらに相場が悪いときの実績を見ていれば、大きな心配をせずに持ち続けられる」という。

アクティブ型投信を選ぼうとすると、手間がかかるのは事実。それが面倒なら、選ぶのが簡単なインデックス型を買えばいい。しかし、アクティブ型にはファンドマネジャーの手腕や哲学、下げ相場での抵抗力や高リターンの期待といった、インデックス投資では得られないメリットや楽しさもある。投信業界は売りたいファンドの宣伝よりも、実力のあるファンドのアピールにもっと力を入れて、投資家を掘り起こしてほしい。

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