2017/10/1

記事

そのためにロボアドはこんな質問を投げかけてくる。「株価が1カ月で20%下落したらどうするか」。年齢や年収、金融資産額もリスク許容度を測るのに必要なデータ。質問の数は5~15程度で、中身も平易だ。

リスクに耐性があると判断すれば、株式や外貨資産に多めに配分するポートフォリオを提案。反対にリスクに弱い人には債券中心の配分を提示する。株式と債券のように互いに異なる値動きをする資産を組み合わせてリスクを抑えるという投資理論も踏まえる。

「若年層ほど運用期間が長く取れるので、高リスクの株式比率を高められる」とお金のデザイン(東京・港)のシュライバー・マルコム最高投資責任者は話す。提案内容は各サービスにより異なるが、リスク許容度に応じて5種類くらいのモデル・ポートフォリオを用意する例が目立つ。

長期の放置は禁物

運用成績はどうだろう。一部のロボアドは最近になり運用成績を開示し始めている。ウェルスナビ、楽ラップ、MSV LIFE(マネックス・セゾン・バンガード投資顧問)という一任型の主要ロボアドを対象に、8月末までの1年間のリターンを平均してみた。

それぞれリスクが最も高いポートフォリオを選んで平均したリターンは16.5%、中庸のタイプは同11.9%、最も低いタイプは同6.3%だった。国内外で株価が堅調だったため、株式への配分を重視する高リスク型ほどリターンは高い。対象期間が短いので実力判定は難しいが、全般に運用成績はまずまずだ。

注意点もある。一任型の場合、少額投資非課税制度(NISA)に対応していないのが通常だ。一任型はリバランスのための頻繁な売買を想定しており、一度売却した部分の非課税枠は再利用できないというNISAの仕組みになじまないといった理由からだ。

投資対象となる商品も確認しよう。一任型のロボアドは、米国市場に上場するETFで運用するものが多い。取引コストが安く流動性が高いとの理由からだが、ドル建てで取引されるため、円高が進めば為替差損が生じる点は留意したい。ロボアドは分散によるリスク抑制に配慮しているとはいえ、余裕資金の範囲内で活用するのが大切だ。

ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は「若年層ならまずは自力で100万円くらい貯蓄して元手を作ってからロボアドの利用を考えたい」と助言する。運用を任せられるのがロボアド本来の利点とはいえ、長く放置するのは禁物。特に「ライフステージが変われば、ふさわしい運用のあり方も見直す必要がある」ことも忘れないようにしたい。

(南毅)

[日本経済新聞朝刊2017年9月23日付]