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自動記録で長続きする家計簿アプリ 節約、投資に効果

NIKKEIプラス1

2017/9/28

PIXTA

スマートフォンの家計簿アプリを愛用する人が増えている。クレジットカードなどでの買い物が自動的に記録されて手間がかからないのがメリットで、家計改善にもつながっている。

会社員のAさん(45)は住宅ローンを借りた4年前に「家計をきちんと管理したい」と家計簿アプリ「マネーフォワード」を使い始めた。気に入ったのは、複数の金融機関の口座残高を自動集計して資産総額を表示する機能。それぞれの金融機関であらかじめネット取引の利用手続きをしておけば、マネーフォワードに金融機関のIDとパスワードを最初に1回入力するだけで使える。

資産総額がリアルタイムで分かるようになったAさん。金額がなかなか増えない理由をさぐったところ、毎月決まって出ていく固定費の大きさが目に付いた。そこで「漠然と契約していたけれど、利用状況からみて不要」と判断した自宅ネット接続の光回線を割安なADSLに切り替えるなどして月1万円を節約。さらに生命保険の見直しで同1万円、住宅ローンの借り換えで同2万円を削ったという。

クレジットカードや電子マネー、ネット通販サイトなど決済が電子化された買い物を自動的に記録するよう設定できることも家計簿アプリの強みだ。支払先の店舗などから「食費」「交通費」といった費目別に自動集計する機能も付いている。手書きの家計簿が続けられなかった経験がある会社員のB子さん(31)は「自分で入力する手間がほとんどなく、何にお金を使いすぎているか分かる」と話す。

B子さんは洋服代と交際費の使いすぎに気をつけた結果、家計収支が月に最大3万円ほど改善した。「日々アプリを眺めているだけで何にいくら使ったか頭に入るので、以前のようにクレジットカードの引き落としが思っていたよりも多くて慌てることはなくなった」

アプリでレシートを撮影すると品目別の管理もできる

運営会社のマネーフォワード(東京・港)が利用実態を調査したところ、調査対象の約2400人の半数が家計収支の改善を実感していた。その平均額は月1万9090円。改善を感じた人の約90%が「日ごろの支出を意識」しており、同35%は「固定費の見直し」を実行していた。

同社の森裕子PFM本部副本部長は「自分の家計を『理想の家計』と比べる機能も好評」という。約500万人のアプリ利用者から家計が黒字の人だけを選び、年齢や家族構成、収入などの条件が近いやり繰り上手な「理想の家計」を同社が選定。それぞれの利用者が自分の家計と比較できる機能だ。

「理想の家計」と比較できる機能も

さらに、マネーフォワードは「資産運用のために使っている人も多い」(森氏)という。個人事業主のC子さん(50)は保有する投資信託の状況をチェックしている。運用成績だけでなく「日本株の割合が高くなり過ぎたので、今後は海外株を増やすといった資産配分を決めるのに重宝している」という。

家計簿アプリはマネーフォワードのほか「Zaim」や「マネーツリー」「レシーピ!」など続々と登場しており、それぞれ機能や操作性に特徴がある。基本的な機能は無料で使えるが、登録したい金融機関数が無料サービスの上限を超える人や、自動集計の分類方法を自分で細かく設定したい人のための有料サービスがあるアプリもある。いくつか試用して自分に合うものを選べばいいだろう。

買い物のレシートをスマホで撮影すれば、缶ビール1本、スナック菓子1袋からでも記録できるほど進化してきた家計簿アプリ。ただし、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは「お金の出入りがアプリで自動的に記録されるだけで安心してしまい、肝心の家計改善の具体策を考えない人も多い」と指摘する。手書き家計簿に比べて節約できた時間は、家計をじっくり分析することに充ててはどうだろうか。

(堀大介)

[NIKKEIプラス1 2017年9月23日付]

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