雑学番組『さまぁ~ずの神ギ問』 答えより疑問が主役
視聴者から寄せられた様々な疑問を、答えを知りたくなる「神ギ問」か、どうでもいい「グ問」かを判定するバラエティー番組『さまぁ~ずの神ギ問』(フジテレビ系)。さまぁ~ずとゲストは1人3個ずつリンゴの持ち点があり、興味が湧けばリンゴを挙げ、満点の9個そろえば後日、スタッフが調べた解答VTRを同じメンバーで見る。神ギ問が生まれない回もあり、雑学番組の中でも異彩を放つ。
疑問そのものを楽しむコンセプトについて、演出の塩谷亮氏は「物事を人に紹介するときに、分からないことを解決するのは基本的な構図ですよね。その根本を面白がったらどうなるだろうと思ったのが最初です」と話す。情報系バラエティー番組が数多くある中、「調べるか調べないかを決める番組があってもいいんじゃないかと」
約2年前に深夜帯で始まり、2016年10月からは日曜の昼に放送。神ギ問は1カ月以上かけて調査するため、深夜時代は、答えの紹介は後日に回していたが、16年3月にGP帯(午後7~11時)でスペシャルを放送した際、視聴者が戸惑わないように、結果も合わせて公開した。日曜昼に放送枠が移動したとき、そのスタイルを継承することに。「時間経過が分かるように、疑問を判定しているときは青、答えを見るときは赤と、セットも衣装も色を変えています。ゲストにも再度収録に来ていただきます」
塩谷氏は『トリビアの泉』(02~06年)を手がけていた頃から、セットや音にこだわってきた。この番組でも、神殿風のデザインや装飾などに凝る。音楽はSEKAI NO OWARIの『Death Disco』を使用。「耳に残るフレーズは、どんな番組にも必要だと思っているんです。どうしようかと考えているときに、テレビからライブが流れてきて、『♪クエスチョン』と。これだーって(笑)。強引な切り取り方をしているので、嫌がられてないか心配です(笑)」
これまで、「テーマパークの閉園後、どこかに隠れていたら見つかるの?」や、「国語のテストでその小説の作者は何点取れるの?」などの神ギ問が生まれてきた。常時2000個ぐらいのストックがあり、バランスを見ながらピックアップする。同時に収録中でもゲストの反応を見ながらネタを入れ替えたりしているそうだ。
さまぁ~ずには全幅の信頼を置いているという。「あらゆるジャンルのどんな球を投げても、確実に1ブロックを笑いにして返してくれます。懐が深くて、全部を受け止めて本気で楽しんでくれる。世間からは愛情も込めて『ゆるい』と言われがちですが、全然ゆるくはないですよ(笑)」
心がけているのは、ありのままを受け入れること。神ギ問の結果がつまらなかったり、明確な解答が出ないときもあるが、それをどう面白がるかを考えるという。「全部楽しんでやっています。出演者とスタッフとの関係性がとてもよくて。1日でも長く番組を続けることが目標です」。10月21日からは土曜午後7時放送となる。
(「日経エンタテインメント!」9月号の記事を再構成。敬称略。文/内藤悦子)
[日経MJ2017年9月22日付]
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