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「次世代AI」の覇権争い グーグルの投資先から読む

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日経ビッグデータ

iPhoneの最新機種iPhone Xに人工知能(AI)のための機能「ニューラルエンジン」が搭載された。ファーウェイも最新スマホに同様の機能を搭載している。人工知能というとまだまだ遠い未来のように感じられるが普通に使う日が近づいている。ただ、一口に人工知能といっても、その応用範囲は幅広すぎる。どの分野が有望で、どのように社会に実装されていくのだろうか──。

そのヒントとして米グーグルが2017年7月に設立したAIに特化した投資ファンド「グラディエント・ベンチャーズ」がある。当初の出資先として米アルゴリズミア、米コグニアック、米ケープ、米アウリマの4社が発表された。その4社の事業内容から、次世代AIの潮流が見えてくる。

3500以上のアルゴリズム市場

アルゴリズミアは、アルゴリズムのマーケットプレースを運営するスタートアップである。アルゴリズムを介してAI研究者とサービス開発者をつなぎ、開発者が研究者の優れたアルゴリズムを組み合わせてソフトウエアを開発し、サービスとして市場に提供することを支援する。開発者が必要とする特定のアルゴリズムを登録し、研究者が有償で開発する懸賞金(Bounty)という仕組みもあり、市場ニーズの高い研究分野を加速させる効果がある。

アルゴリズミアには3500以上のアルゴリズムが登録されており、4万5000人の開発者がアクセスしている。アルゴリズムはAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で利用することができ、API呼び出し回数や処理時間ごとに必要なクレジットが設定されている。毎月5000クレジットまで無料で利用できるプランもある。

AIを活用したサービス開発を活性化させる企業として注目される。

月額100ドルからの画像識別

コグニアックは、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network=CNN)による画像認識・解析サービスを提供する。CNNとは、深層学習(ディープラーニング)の一種であり、何段もの深い層を持つニューラルネットワーク。画像や動画認識に広く使われている。

コグニアックのCNNは、監視カメラ、ソーシャルメディア、企業内のメディア、個人所有のメディアなどの動画や画像から、関心のある対象物やパターンを自動的に認識したり、カウントしたりできる。例えば、監視カメラの動画から銃を識別して警告することや、製造装置の画像から故障しそうな箇所を識別して警告することが可能である。

ソーシャルメディアの動画や画像から関心のある対象物を識別する一般個人向けのサービスは、月額100ドルで利用できる。

世界中のドローンを操縦可能に

ケープは、パソコンを使用してドローンを操縦できる世界初というプラットフォームを開発する企業である。インターネットを介してPCとドローンを一対一で接続し、オフィスや自宅に居ながらにして、世界中に配置されたケープ対応のドローンを自由に操縦できる。

安全対策も万全である。ドローンはジオフェンスで定められた領域だけを飛ぶことができ、領域外には出られない。他のドローンと衝突させようとしたり、最低高度や最高高度を外れようとしたりすると、オートパイロット機能が働き危険な操作を回避する。ケープのドローンを操縦するにあたっては、米連邦航空局のライセンスは不要で、訓練を受ける必要もない。

現在、パブリックベータのサービスとして公開中で、2016年第4四半期だけで1万回以上のフライトが実施された。

もう一社のアウリマは、詳細は明らかではないが、代替的なセンシング方法と深層学習モデリングを開発しているスタートアップである。

「次世代AI」の覇権争い

「次世代AI」における覇権を狙い、AI分野に対する投資を積極化しているのはグーグルだけではない。16年12月、米マイクロソフトはAIに特化した投資ファンドを立ち上げ、これまでに4つのスタートアップに投資した。17年7月にはトヨタ自動車がAIを含む4分野を対象とした投資ファンドを創設している。AI分野のスタートアップへの投資は、優秀な人材確保という点でも魅力的である。

AI分野のスタートアップは大学の研究者が始めたものが多く、優秀な人材を継続的に確保できるチャネルとして価値が高い。AI技術の利用用途を探索することもスタートアップへ投資する目的の1つである。

こうした状況の中、キャピタルG(旧グーグル・キャピタル)やGV(旧グーグル・ベンチャーズ)を有するグーグルが、グラディエント・ベンチャーズを新たに立ち上げた狙いはどこにあるのだろうか。

グラディエント・ベンチャーズは、独立経営のキャピタルGやGVとは異なり、グーグルと経営を一体化したROI(投下資本利益率)追求型の投資ファンドである。従来の投資ファンドと大きく異なる点は、ファンドのメンバー構成にある。グラディエント・ベンチャーズには多数のエンジニアがメンバーとして参加しており、スタートアップがアイデアを製品化する際にどのような支援が必要なのかを非常によく理解している。

AI専門家の派遣など強力に支援

グラディエント・ベンチャーズは、グーグルのAI専門家をスタートアップに一定期間派遣したり、グーグルの最先端AI技術のトレーニングを提供したりして、AI技術面でスタートアップを強力にサポートする。さらに、グーグル自身がAIトレーニングで利用してきた膨大なデータをスタートアップに提供し、彼らの技術革新を後押しする。

AI分野への投資が活発な状況において、スタートアップが必要としているのは、AIに関する経験、専門知識、データであり、具体的な顧客である。これら全てを提供してくれるグラディエント・ベンチャーズは、他の投資ファンドにはない大きな魅力がある。グラディエント・ベンチャーズは、17年中に10から15のスタートアップに対して、1件当たり100万~800万ドルを投資する計画である。

グーグルがグラディエント・ベンチャーズを創設したもう1つの狙いは、自社製品へのAI統合を加速させることにある。

ファンドの責任者であるアンナ・パターソン氏はAIの専門家で、グーグルではAIのエンジニアリング部門のVP(バイスプレジデント)として全製品にAIを統合する支援をしていた人物である。ファンド創設パートナーのアンキット・ジェイン氏は、グーグルのエンジニアリング部門のディレクターを兼ねる。グーグルは投資先のスタートアップへの技術的な支援を通じて、AIを製品へ統合する実践的ノウハウを身に付け、グーグルの全製品に早期に適用することを期待している。

(ビッグデータ&オープンデータ・イニシアティブ九州 東富彦)

[日経ビッグデータ 2017年9月号の記事を再構成]

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