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デジタル・フラッシュ

iPhone新機種のびっくりとがっかり 識者3人に聞く

2017/9/22

「残念だった点」は、「良かった点」の裏返しになるが、個々の機能に目新しさがなかったことだ。スマホ用の有機ELディスプレーはいうまでもなくサムソンが先行しているし、AIを搭載したチップセットは、ファーウェイが9月2日にドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2017で発表済み。デュアルカメラもやはりファーウェイが先行した技術だ。

アップル最大の強みだったデザインも同じことがいえる。これまではiPhoneのデザインを他社が追随してきたが、今回のiPhone XはアップルがGalaxyっぽいスマホを出したという見方もできるだろう。スマホ前面をすべてディスプレーにするという情報は早くから出ていたが、実際に登場したiPhone Xは有機ELを最上部まで広げているものの、カメラやセンサーを装備するために一部がへこんだデザインになった。指紋認証用のTouch IDセンサーをディスプレー内に埋めこむという噂もあったが、今回は採用されなかった。このような工夫を実現する時間がなかったのかもしれない。

iPhone Xのディスプレーは上部に「切りかき」が入った形になる

一方、同時に発表されたiPhone 8は前機種iPhone 7と比べガラス素材になったこととワイヤレス給電くらいしか違いがない。10年前の初代iPhone発表以来、スマホをけん引してきたアップルだが、ここにきて手詰まりを感じさせた。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。NIKKEI STYLEに「佐野正弘のモバイル最前線」を連載中。

■西田氏:AIを着実に準備、ARは提案がほしかった

ディープラーニング用コアである「A11 Bionic neural engine」を、iPhone XだけでなくiPhone 8シリーズにも搭載したのには驚かされた。外見的にはiPhone Xが目立つが、中身的にはそこまでの差はなく、これから重要になる「AI処理」に向けた準備が着実であることを思わせる。

Apple Watch単体で通信や通話が可能になったことも注目だ。iPhoneと同じ電話番号をApple Watchでも使えるようにするために、携帯電話事業者をまきこんだ想像以上に大きな仕組みになっている。「フィットネスを中心に、よりよいiPhoneのコンパニオンを売り込む」ことに、アップルが本気であることを強く感じる。

Apple Watch単体での通信機能は、各国での携帯電話事業者をまきこんで実現した

一方、がっかりしたのはiPhone 8やiPhone Xで、カメラのハードウエアにさらに工夫がなされるかと思ったが、意外と「ハードとしては」小幅の改善に見えたこと。ただし、写真はソフトとのセットで品質が大きく変わるので、実機でのテストを行うまでは判断は保留したい。

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