男の着こなし術

この秋、何を買う? 押さえておきたい10のポイント ファッションコンサルタント / 評論家 黒部和夫

2017/9/27

4. ファブリック  伝統的英国素材の復興

この30年ほど、ソフトで軽いイタリア素材が市場で受け入れられてきました。今季は生地の縦糸、横糸の打ち込み本数が多く、目付のしっかり付いた英国調の素材がイタリアの素材メーカーでも増加しています。

また本場英国の老舗素材メーカー、フォックス・ブラザース社のヘビーフランネルも世界各国のアパレルメーカーからの引き合いが急増して、日本向けを筆頭に輸出が絶好調なのです。

英国調素材は、従来型のイタリア素材に比べると最初は堅く、重い印象を受けますが、丈夫で長持ちして、着ているうちに身体になじんでくるという特徴があります。紳士スーツ素材の本来あるべき姿に回帰していると言えるでしょう。

5. フォルム  ニューボリュームの台頭

PT01社のリバース2プリーツパンツ

イタリア・フィレンツェの製品展示会、ピッティ・イマージネ・ウオモだけでなく、ミラノやフランス・パリのメンズコレクションでも、ゆったりとしたフォルムの「ニューボリューム」が台頭しています。

特に変化が顕著なのがボトムス(スラックス)とコートです。ボトムスでは、1or2プリ―ツ(タック)の復活が顕著です。またベルトレス、サイドエクステンション(サイドアジャスター)、ウォッチポケット、サスペンダーボタンなど、ビスポークテイラーのディテールが盛り込まれています。

1980年代のシルエットと異なるのが、腰回りはゆったりしていても、裾口に向かってテーパード(細く絞られている)点です。

コートはゆったりとしたAラインが復活して、ラグランスリーブ(首まわりから斜めに縫い付けられた袖の形状)が台頭している点も見逃せません。

6. デザイン  スリーピース、ダブルブレストの拡大

ベルベスト社のクラシックなシングルラペルドベスト3ピーススーツ

3ピースのベストも1980年代にラルフ・ローレンが提案したクラシックなダブルブレスト6ボタンラペルドベスト(6つボタンの襟付きダブルベスト)が復活。

シングルベスト付きの3ピーススーツは、この秋すぐ取り入れられるトレンドのメインストリームと言えます。

オフィスで上着を脱いだベスト姿は、いかにも仕事ができそうなイメージを演出してくれます。

ダブルブレスト6ボタンスーツの提案も目立ちましたが、日本のビジネスシーンに再定着するには、しばらく時間がかかるでしょう。

7. ディテール  ビスポークディテール

ベルベスト社のベルトレス・サイドエクステンション・トラウザース

ジャケットのチェンジポケット、1or2プリーツの組下トラウザース(スラックス)、ベルトレス、サイドエクステンション、ウオッチポケット、サスペンダーボタンなど、ビスポークテイラーのディテールが、日本で販売される国内外の既製服スーツにも登場し始めて来ています。


Latest