洋服の自動折りたたみ機 遅いし高いけど奈津子は応援
奈津子の家電選び後輩目線
テクノロジーの進化によって、人間は実にたくさんの自由を手に入れてきました。100年前には冷蔵庫も洗濯機も炊飯器もなかったのですから、家事にかける労力が、その間に一気に減ったというわけです。そして、ついに全自動で衣類の折りたたみをしてくれるロボット「laundroid(ランドロイド)」が登場します。いったいどんな家電なのかを見てきました。
単に衣類を折りたたむだけじゃない
人は生涯のうち、なんと約9000時間(!)もかけて洗濯物をたたみ、仕分け、運んでいるのだそうです。私は独身ですが、たった1人分だけでも洗濯物をたたんでキッチリとしまう行為が苦手です。これで、もしいつか家族が増えたら……。ああイヤだ、考えたくない。でも結婚はしたい。
しかし、こんな悩みももう過去のものになるのかもしれません。噂のランドロイドの全ぼうをご紹介します!
こだわり抜かれたビジュアルの完成系はこちら。
ローズウッドやウォールナットなどの温かみのある高級木材に、輝くパネルがカッコイイですね。高さ約2.2m、幅約87cm、奥行き約63cmとかなり巨大ではあるものの、洗練されていてインテリアにもなじみそうです。今の私の部屋では置けるスペースはないですが、これを置ける家に住めるような人間になりたいと思いました。
上部には操作するためのダイヤルが付いています。一番下にあるのが衣類投入部で、中央には衣類を仕分けて収納する棚があります。たたみ終わった衣類も約30着まで収納できるので、洋服タンスとしての役割も果たします。
ランドロイドでできる機能は主にこちらの3点です。
・オンラインクローゼット機能
・衣類コンシェルジュサービス(検討中)
「全自動折りたたみ機能」は、ランドロイド本体下部にある引き出しに衣類を入れると、内部で機械が自動的にたたみ、本体中部にある棚に分類して収納する、というものです。ちなみに洗濯はしてくれません。
まず本体下部にある引き出しに衣類を投入します。
中央のダイヤルの矢印を3時から7時の向きに移行させると、内部に搭載されたロボットアームが折りたたみを開始します。
折りたたみ方法の細かいメカニズムは企業秘密だそうですが、ロボットアームが内部で「つかみ」、「広げ」、衣類の「判別」を繰り返しながら折りたたみます。ここには「画像解析」と「AI(人工知能)」、「ロボティクス」の技術が使われています。半袖や長袖、Tシャツやボトムス、パジャマやフェースタオルなどといったおおよその形状の衣類に対応しています。
アイテム別・家族別に仕分けてくれる
折りたたみが終わると、本体中部にある棚に衣類が収められます。6つに分かれた棚はそれぞれにトップスやタオル、パジャマといったように「衣類別」に仕分けできるので、取り出すときにも楽ちんです。
旧型の試作機ですが、過程を動画で撮影しました。途中、早送りにしていますが、イメージはつかめるのではないでしょうか。
家族で使う場合には衣類を「家族別」に仕分けることもできます。その場合には専用のスマートフォン(スマホ)向け無料アプリ「ランドロイドアプリ」をダウンロードし、どの衣類が誰のものなのかを登録をする必要があります。
アプリで取り込んだ衣類はスマホ上でいつでも確認することができ、手持ちの衣類がそれぞれ「どのぐらいの時期」に「どのぐらいの頻度」で着ているのかを教えてくれる「オンラインクローゼット」にもなります。
手持ちの洋服の記憶って、買い物先でいざというときになかなかでてこないので、これを使えばムダな買い物をしないで済みそうですよね。
ただ現状は衣類を「裏返しをする機能」と「ボタンを留める機能」、「靴下のペアリング」は難しいそうなので、これは家族で協力する必要がありますね。また現時点では満杯の衣類をすべてたたみ終えるまで最低でも約5~6時間ほどかかってしまうとのこと。音は静かなので、深夜に使用していても眠りの妨げにはならないそうです。
内部にはWi-Fi機能を搭載しています。「ランドロイドクラウド」上で常に機械学習の強化を図り、アップデートしていくそうなので、さまざまな課題は時とともに解決しそうです。
社長いわく「将来は食器洗い乾燥機のように」
個人的には同社が検討しているという「衣類コンシェルジュサービス」がとても興味深いものでした。これは洋服の月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」とランドロイドが提携して提供するサービスです。
ランドロイドで管理している衣類の中から「着用頻度が少ない衣類」や、逆に「お気に入りでよく着る衣類」にぴったりのアイテムをエアークローゼット側が選んで自宅まで配達してくれるというもの。カラーチャートを用いて手持ちの衣類で「多い色味」や、逆に「あまり着ない色味」などを教えてくれるといったアイデアもあるそうです。
年齢を重ねると、若いころに比べて本当に「自分が日々着るもの」を選ぶのも買うのもしんどくなってきました。でもこれならファッションを通じて新しい自分と出会うことができそうです。プロが選んでくれて、それが自分に似合うならすてきですよね。これはぜひとも実現してほしいサービスです。
2018年度中の出荷を予定しているランドロイド、気になる本体の想定価格ですが……
約185万円!
ゴッ、ゴクリ……。製品コンセプトもさることながら、お値段も衝撃的です。セブン・ドリーマーズラボラトリーの阪根信一社長いわく、将来的には「食器洗い乾燥機」くらいに普及させていきたいとのこと。現状はこの価格ですが、売れ行きによってはもちろん価格帯が下がっていく可能性もあるそうです。
全自動折りたたみ機「ランドロイド」、予算さえ許す方は試す価値はあるでしょうね。先輩! ランドロイドとともに過ごす「上質な暮らし」、一緒に目指してみませんか?
女優・タレント。家電製品総合アドバイザー ゴールドグレード(AV情報家電)。元SDN48。特技は茶道、日舞、家電。TOKYO FM「Skyrocket Company」の「家電で快適! 生活向上委員会」コーナー(毎週火曜午後6時ごろ~)にレギュラー出演中。インスタグラムのアカウント名は「natsuko_kaden」
(編集協力 安蔵靖志)
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