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関連資料を見れば、KPIとそのマネジメントの優劣がわかる=PIXTA

関連資料を見れば、KPIとそのマネジメントの優劣がわかる=PIXTA

いまや企業経営の現場で当たり前のように使われているKPI(Key Performance Indicator:目標達成のために見るべき指標)。もともとピーター・ドラッカー氏が1954年に著書「現代の経営」において提唱していた考え方ですが、92年にロバート・キャプラン氏とデビット・ノートン氏が「ハーバード・ビジネス・レビュー」に掲載した論文「新しい経営指標"バランスト・スコアカード"」によって、一気に世の中に広まりました。

あなたの職場には、どのようなKPIがありますか? そのKPIは、会社の経営にどの程度有効に活用されているでしょうか? KPIは有効なマネジメント手法の一つですが、KPIそのもの、あるいは運用を間違っていることも多々あります。リクルートグループで10年間、KPIの講師をしていた経験から、「イケてるKPI」を瞬時に見分ける方法をお伝えします。皆さんも、会社や事業のKPIがイケてるかどうかチェックし、ご自身のキャリアアップにぜひ活用してください。

リクルートとデータ、そしてKPIマネジメント

ここ数年、リクルートグループには、たくさんのデータサイエンティストが集まってきてくれています。私がリクルートテクノロジーズの社長をしていたとき、「どうしてこんなに多くのデータサイエンティストが集まるのか?」と何度も理由を聞かれました。私の回答は次の3つです。

1つめは、「ユニークなデータを持っているイメージがあった」こと。グローバルな視点では、リクルートが持っているデータ量は決して多くありません。しかし、その内容は、就職、転職、結婚、住宅、教育、旅行、飲食、理美容、車など多岐にわたっていて、かつ活用しきれていないイメージも持たれていました。それが、腕に覚えのあるデータサイエンティストの興味関心を集めたのです。

2つめは「投資する原資があった」ことです。具体的には、データサイエンティストが集客コストの効率化を進め、さらなる投資原資を生み出しました。リクルートは、集客(個人ユーザーのサービス利用を促進)のためにコストをかけています。データサイエンティストが集客を効率化すると、より少ないコストで集客できます。そこで生まれたコストを継続的に投資に回し、彼らが新しいことにチャレンジする環境をつくり続けています。

3つめが、「経営陣が数字に基づいた判断をしている」ということです。意外かもしれませんが、リクルートには経営判断を、数字に基づいて合理的に行うという土壌が創業時からあります。今でいう「KPIマネジメント」を長年実行してきた会社なのです。

「ユニークなデータを保有」し、「データに投資」をして、「経営がデータで判断をする」からこそ、結果的にデータサイエンティストにとって魅力的で働きがいのある職場の一つになっていると考えられます。

「ダメダメKPI」にありがちなこと

こうした環境の中で私は10年間、KPIの社内講師をしていました。いわば「KPIの専門医」のような役割で、リクルートのさまざまな事業、さまざまな職場のKPIについて相談を受けてアドバイスしていたのです。

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