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有機ELテレビ比較 同じパネルでも際立つ4社の個性 大画面テレビの本命 有機ELテレビ最前線 後編

2017/10/4

国内メーカーからも製品が発売され始めた有機ELテレビ

 「次世代のテレビ」といわれる有機ELテレビ。2017年に東芝、ソニー、パナソニックが製品を発売したことで、有機ELパネルを生産しているLGと合わせて4社の有機ELテレビが店頭に並ぶようになった。オーディオ・ビジュアル評論家の小原由夫氏によると、それぞれのテレビにはメーカーごとの特徴があるという。実際に実機を確認すると、メーカーごとの得意分野があることが見えてきた。

■パネルは同じでも際立つ個性

小沼理(平成生まれのライター) 有機ELテレビのパネルは、国産3社もLG製のものを使っていると聞きました。ですが、家電量販店などで見比べると、それぞれに映る映像が違うように思います。なぜでしょう?

小原由夫さん(昭和世代のオーディオ・ビジュアル評論家) 各社が画質エンジン(映像を高画質化する回路)を変えることで個性を出しているんです。車のボディーは一緒だけどエンジンは違う、というイメージでしょうか。

小沼 それぞれ、どんな特徴があるのでしょうか。

小原 黒の濃淡がしっかり表現できているのがパナソニック。ソニーは反対に明るいシーンが得意で、東芝は細やかな色彩表現が得意。LGはデザインコンセプトや音響が素晴らしいです。

小沼 では、メーカーごとにお話を聞きましょう。

■夜のシーンがきれいなパナソニック

4K有機ELビエラEZ1000シリーズ。ペデスタルと呼ばれる土台とディスプレーが細いステーでつながれ、宙に浮いているようなデザインだ

小沼 まずはパナソニックです。「黒の濃淡がしっかり表現できている」とのことですが、黒がくっきり表現できるのは、そもそも有機ELの特徴ですよね(前回「有機ELは液晶と何が違う? TVの進化と未来を探る」参照)。「電源をオフにしたような」と言われるくらいだし、どのくらい差が出るのかと思うのですが……。

小原 「どの段階でオフにするか」で違ってくるんですよ。パナソニックはその点にこだわっている。僕も感心しました。

独自の「ヘキサクロマドライブ」により、元の映像を忠実に再現。表情豊かな黒色が表現できるようになったという

小沼 黒の描写が得意ということは、向いている映像は?

小原 夜のシーンがきれいに映りますね。デモ映像では、月明かりの中で忍者が戦う映像が流れていました。暗闇の中で、刀の刃と忍者の瞳がキラリと光る。黒の濃淡をしっかり表現できていると思います。

小沼 僕が見たのはディズニー映画「モアナと伝説の海」ですが、たしかに夜の海のシーンが一番印象に残っています。誰もいない海辺でモアナが見上げた星空が、ハッとするほどきれいでした。

■床置き型のソニーはライフスタイルを変えるか

パネルを支える台がなく、直に床やテーブルに置いて使うソニー、ブラビアのA1シリーズ

小沼 僕が一番気に入ったのがソニーでした。床に置いて使うようなデザインは斬新です。

小原 キャッチフレーズは「Slice of Living」。生活を切り取るという意味だそうですが、新しいライフスタイルをイメージさせます。

小沼 LGの取材では、映像のきれいさ以上に、薄さや軽さ、曲げられるといった点に有機ELの革新性を感じました。だったら、それがデザインにも落とし込まれているほうがいいと思います。ソニーは1枚の板みたいでかっこいいですね。

ソニー、ブラビアA1シリーズは背面のスタンドにエンジンをすべて集約。さらにベゼル部分を細くすることで、パネルだけが浮かんでいるように見えるデザインになっている

小原 ソニーは音の出し方もユニークです。

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