がん保険を商品化し、自社内でもがんにかかった社員の就労に関する制度を作っているライフネット生命保険は、特定非営利活動法人キャンサーネットジャパンの協力を得て、がん経験者572人へのアンケート調査を実施した。

がんにかかったときに感じた不安に関する質問には、「再発や転移」への不安という回答が82%。次いで、「仕事」58%、「家族への負担」と「治療費」が各55%で、仕事が大きな不安要因となっていることが分かる。

経済面では、がんになる前と後で、収入は平均で20%減少している。収入が半分以下になった人は47%、ゼロになった人は18%もいた。職業別では、派遣社員やパート・アルバイトの収入減少率が高い。

がん経験者へのアンケートでは罹患後、「平均で2割収入が減少」という結果に。「ライフネット生命保険 がん経験者572名へのアンケート調査」より

年収が減った主な原因は、「休職」「業務量のセーブ」「退職」でそれぞれ30%前後を占めている。岩瀬社長は、「ここに、がんと就労に関する課題が見える。治療費で出費が増えるのに、収入が減るので経済的なダメージが大きい」と説明する。

功能さんは、「退職しなくてはいけないことが一番つらいので、働き続けられる環境づくりががんと就労のテーマ。勤務形態が柔軟になり、在宅勤務や勤務時間のフレキシブルな対応が可能になれば非常にありがたい」と言う。

がんにかかった後に利用した公的制度は?

アンケート調査によると、がんにかかった後に利用した公的制度は、高額療養費制度が92%で最も多く、医療費控除も58%の人が使っている。「我々もこの2つの制度は利用した。この制度の存在は周知徹底して、患者のみなさんは活用すべき」と功能さん。

高額療養費制度とは、同じ月の1日から月末までにかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度。医療費控除は、自分や家族のために支払った医療費などの実質負担額が、年間(1月~12月)10万円を超えた場合、または所得金額が200万円未満の人は「所得金額×5%」の額を超えた場合に、超えた金額をその年の所得から差し引くことができる制度で、控除できる金額の上限は200万円だ。

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「会社のサポート制度自体がなかった」が43%
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