夫のお酒の失態にあきれ果てています
脚本家、中園ミホさん
夫が飲んで朝帰り。バス停で寝ていたそうです。帰宅したらかばんがなく、なくしたらしい。結婚して24年、お酒での失態は数知れず。こんな52歳の夫にあきれ果てています。(神奈川県・50代・女性)
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私も酒飲みなので、だんなさんの気持ち、よくわかります。飲む前は、「きょうこそは、わきまえて飲もう」と思っていても、気がつくと度を越して飲んでしまうんですよ。
本人はおそらく、相当反省して後悔もしているけれど、52歳でこうなら、体でも壊さない限りお酒をやめないでしょうね。自分自身に置き換えれば、お酒がないと、生きる喜びの8割くらいがなくなってしまう。だから、やめさせるのは不可能に近いし、かわいそうですよ。
とはいえ、奥さんとしては困りますよね。やめさせずに態度を改めてもらう方法としては、家で飲んでもらうのが一番よいでしょう。嫌な顔をせず、できれば体にも良さそうなおいしいおつまみを作り、「ああ、また同じ話をしているなあ」と思っても、あいづちくらい打って。
飲み友達がいるなら、その人たちにお酒を持ってきていただき、家で飲み会をするのはどうでしょう。掃除をしなきゃならないなど面倒くさいとは思いますが、家で飲めるような環境をつくってあげてほしい。
なぜなら、だんなさんの身が危ないからです。自分の経験から言えば、この先どんどんお酒に弱くなります。そうすると、事件に巻き込まれ、危険な目にも遭いかねない。
それに、酔っ払いすぎると、うっかり重大なことを決めてしまうこともあります。
私がそうでした。酔って記憶をなくしたときに、朝の連続ドラマの脚本書きを引き受けちゃったんです。結果的には良かったと思っていますが、その時は大変な仕事を受けちゃったなあ、と困惑したものです。
いくらお酒が好きでも、家だと安心して少しの量で眠くなってしまうはずです。私も息子に叱られながら、家で飲んでいますが、外で飲む時より本当に弱くて、適量で酔えちゃいます。
奥さんの方に酔っ払いを毛嫌いする雰囲気があると、やはり家で飲みたくなくなりますよね。酒飲みを結婚相手に選んでしまった自分にも責任はある。そう言い聞かせて、家で飲める環境をつくり、酔っ払いに寛容な態度を見せつつ、しっかり自分の監視下に置きましょう。
ちょっと酒飲みに優しすぎる答えだったでしょうか? 最近は外で飲むと1軒目で記憶をなくすので、だんなさんの話が人ごととは思えなくて……。
[NIKKEIプラス1 2017年9月16日付]
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