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女性の声で職場改革 労組執行委員、家庭と両立へ奔走

従業員間に公平感 組合登用に数値目標

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NIKKEI STYLE

労働組合が労使交渉で女性の声の反映に力を入れ始めた。けん引するのは組合員を代表する女性執行委員たちだ。女性の本音を引き出し、職場改革の一翼を担う。

 ◇   ◇   ◇

「同一労働同一賃金」を一歩前へ イオングループの永島智子さん

イオングループ16社の従業員が加入するイオンリテールワーカーズユニオンは組合員14万人の大所帯だ。正社員だけでなくパート従業員も加入しており、5人に4人が女性。正社員と非正規社員の不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金」をテーマに掲げるこの組合で昨年まで、家庭と仕事の両立支援策が議論の的になっていた。

イオンには子どもが小学校を卒業するまで、時短など子育てに配慮した勤務時間を希望する正社員は全国転勤の対象から外れる制度があった。この場合、賃金や賞与は時間短縮分の減額で済む。ただグループには転勤を伴わない非正規の地域限定社員など様々な立場の従業員がいる。処遇の差を埋める必要があった。

「どうすれば公平感を保てるか」。難題に取り組んだのが昨年10月、女性初の中央執行委員長になった永島智子さん(48)らだった。永島さんは組合業務の実務を担当する書記長を長年務めてきた。グループの同一労働同一賃金を一歩前に進めるため、制度見直しは避けられなかった。

労使で議論を重ね、時短勤務と転居免除の制度を分離。希望者はそれぞれ申請することにした。両方希望する場合は条件に見合った減額にするほか、地域限定社員を正社員化し、店長など幹部登用の道を開くことで2016年6月に会社と合意した。

この間、組合は現場の声をひろい、会社協議に反映するプロセスを繰り返した。子育て中の正社員からの反発はあったが、否決される可能性を限りなくゼロにしなければならない。環境の変化に対応するには人事制度の改定が必要だと粘り強く説明した。永島さんは「働き手がベストな選択をできるよう支えるのが組合の役割だ」と話す。

労働組合の役割は会社と協議し、働く環境をよりよい方向へ導くことに、主眼を置くようになってきた。厚生労働省の調査によると、推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数)は16年に17.3%と12年を0.6ポイント下回り、年々低下している。一方、性別でみると男性組合員は16年に675万人と2%減ったが、女性組合員は7%増の319万人となった。組合活動の中枢を担う女性は増えているものの、まだ足りない、増やすべきだとの声が高まっている。

女性役員・執行委員増やす先頭に 日立製作所の半沢美幸さん

日立製作所労働組合は労組の役職につく女性を増やす取り組みを始めている。参画推進計画をつくり、本部や支部、分会でそれぞれ女性役員・執行委員を最低1人は選出する目標を掲げた。本部委員長から支部委員長へ勧誘を働きかけてもらうほか、書記長の半沢美幸さん(50)やダイバーシティ推進担当の新海直子さん(40)は今後、支部や分会に依頼に出向くつもりだ。

「両立支援拡充やダイバーシティ推進も女性が発言することで説得力が増す」と半沢さん。日立労組は子どもが小学校入学まで使える時短勤務制度の対象を3年生まで広げる際、女性組合員の具体的な悩みを会社協議に生かした。11年、東日本大震災後の節電対策で、会社は平日を休みにし土日に働く輪番出勤を導入した。半沢さんは土日に組合の施設で臨時託児所を開くなど、働く母親らの切実な要望に対応してきた。

「男性上司が育休取得にいい顔をしない」といった男性の声も女性執行委員には届きやすい。半沢さんは「執行部に入ることで経営側に意見できるし、自分の手で職場環境を変えられる。そんな楽しみを伝えたい」と語る。

初の工場出身の女性執行役員が誕生 トヨタ自動車

新たな選出枠を設け、女性を組合に取り込もうとしているのがトヨタ自動車労働組合だ。女性執行委員に事務職や技術職出身はいたが、製造現場出身はいなかった。執行委員は工場などの単位で選出するが、全国を対象とした特別枠で女性を選ぶ。9月、新制度を通じて初めて工場出身の女性執行委員が誕生した。

8月末まで執行委員63人中、女性は1人だった。9月からは64人中3人が女性で、うち2人は新枠の執行委員となる。「女性の生の声を幅広い職場から吸い上げる狙い」(担当者)という。

労組がある企業は大企業に偏りがち。一方で長時間労働抑制など働き方に関する国の議論では労働者の声を反映することが重要だ。労働政策研究・研修機構の池田心豪主任研究員は「女性活躍のさらなる推進のためには、各社は女性の働く環境を労使で点検する必要がある。労組は当事者である女性の声を聞き、執行部にどんどん女性を入れるべきだ」と強調する。

 ◇   ◇   ◇

活動の担い手が不足 ~取材を終えて~

取材を通じて多くの労組が女性執行委員のなり手不足に直面していることがわかった。活動の中心となる30~40代は育児休業の前後だったり、女性の採用が少なかった世代だったりするからだ。

昨年度、私は労組の執行委員を務めた。半沢さんが言うように、職場環境の変革に自分が関われる点に醍醐味があった。ただ女性の委員が少ない中、働き方もライフスタイルも多様化する女性たちの声をきちっと届けられているのかという迷いもあった。

少数派の女性が多数派の男性に対して声を上げるのは勇気がいる。制約を抱えながら働く自分の立場を説明するときはなおさらだ。女性の数が集まれば発言しやすい空気になるし、さまざまな考えの女性たちが知恵を出し合うことで説得力のある人事政策も生まれる。労組の働きかけで環境の改善が実現し、労組がない会社にも働き方改革の波が広がるといいと感じている。

(天野由輝子)

[日本経済新聞夕刊2017年9月18日付]

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