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ネット経由でベンチャー投資 「株式型」など新顔続々 投資先の「顔が見える」/倒産リスクも

2017/9/19

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ベンチャー企業に投資する新しいクラウドファンディングの手法が出てきたそうですが、どのような仕組みなのでしょうか。

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インターネットで不特定多数の個人から小口資金を募るクラウドファンディング市場が急成長している。矢野経済研究所(東京・中野)によると、2017年度の国内市場規模は前年度比46%増の1090億円となる見込みだ。

クラウドファンディングは大きく5つに分類できる。社会貢献事業などに無償で資金提供する「寄付型」、支援の見返りに商品・サービスなどを受け取る「購入型」、融資して利息を受け取る「貸付型(ソーシャルレンディング)」に加え、ベンチャー企業に出資する新しい手法が登場し、注目を集めている。

国内のクラウドファンディング市場の9割を占める貸付型は、貸金業法の規制から融資先の名称などが投資家には分からないが、新しい手法は投資先の「顔が見える」のが特徴。技術力や経営者の方針などを把握した上で、投資したいかどうかを判断できる。

■出資先と匿名組合契約

まずは「ファンド型」だ。投資家は出資先企業と匿名組合契約を結び、事業に出資する。一般的に1~3年後、売り上げに応じて一定比率の分配金を受け取ることができる仕組みだ。

ソニー銀行は8月8日、国内銀行として初めてファンド型の取り扱いを始めた。第1号はエアコンの稼働状況をスマートフォンで把握できる技術をもつリンクジャパン(東京・港)が、製品化のために1000万円を調達する案件だ。

1口5万円で目標リターンは約7%。募集開始から半日で目標額に達した。ソニー銀行は「今後も十分に審査し、3カ月に1件ぐらいのペースで投資家に案件を示したい」という。

■非上場企業の株式に投資

もう一つは「株式型」で、非上場企業の株式に投資する。投資先が上場すれば大きな果実を手にできる可能性が高いが、倒産リスクもある。投資回収時期が不透明な分、ファンド型より高リスク・高リターンといえる。個人は1社あたり年間50万円まで出資できる。

日本クラウドキャピタル(東京・品川)が今春、日本で初めて株式型の運営を始め、印刷やアパレルなどのベンチャー企業4社を扱い合計1億1000万円を集めた。「今後はペースを速め、月3回は募集できる体制にしたい」(大浦学代表)。9月にはDANベンチャーキャピタル(東京・千代田)も2社、計4000万円の募集を始めた。

ただ、成長企業への投資だけに出資金が戻らないリスクはある。運営会社は財務状況だけでなく、事業の進捗を定期的に出資者に報告するよう求めている。投資家は出資先企業の経営状態を冷静に把握しよう。

[日本経済新聞朝刊2017年9月16日付]

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