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ヒラメ、ブリ、マサバ… 卵からの完全養殖広がる

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NIKKEI STYLE

スーちゃん天然の魚が捕れにくくなったと鮮魚店の人が話していたよ。魚はよく食べるから心配だけど、お店の人が「人の手で育てた『完全養殖(かんぜんようしょく)』の魚も増えている」と教えてくれた。広い海を泳いだことがない魚が食卓にのぼっているの?

人の手で卵から親まで育てるんだ

森羅万象博士より船で海に漁に出かけても、捕れる魚の量は頭打ちになっているというね。魚の捕りすぎや地球温暖化など海の環境の変化などが原因とされているんだ。日本でも捕れる魚の量は減少傾向にあるよ。

ただ、減った分を養殖で補っているので、食べられなくなることはまずないと思うよ。養殖というのは牛やニワトリのように、人が魚を飼って育てることなんだ。日本の漁業の総生産量(貝類や海藻を含む)の約4分の1を占めているんだよ。

例えば、みんなが食べているウナギは99%、マダイは81%、クルマエビは76%、ブリ類は53%が養殖なんだ。味が良くて人気がある高級魚のクロマグロやトラフグも養殖の方が天然より多いんだ。

普通の養殖は海から子どもの魚(稚魚)を捕ってきて、いけすで飼って親になるまで大きくする。海で捕れる稚魚の量に左右されてしまうよ。養殖が盛んになると、子どもを捕りすぎて自然の魚が減ってしまう恐れもあるんだ。

そこで魚の親から卵を採り、人の手で育てる技術が注目されているよ。親になるまで育て、その親からふたたび卵を採って、ふ化させるんだ。ずっと人の手で育てた魚は広い海を自由に泳いだことは一度もない。卵から出荷までをすべて人間が管理するので「完全養殖」というよ。漁で魚が捕れにくくなっても、品質の良い魚を安定して食卓に届けることができるんだよ。

親から卵を採って育てるのは大変だよ。人工ふ化させた子どもを、稚魚と呼ぶある程度の大きさに育てるのが難しいんだ。

エサの種類や与え方を工夫しなければならない。水槽の水温や光などの条件を自然に近い状態にして、水質を常にきれいに保つことなども重要だよ。わずかな数で完全養殖ができたとしても、稚魚をたくさん育てる技術ができないと、なかなか商売には結びつかないんだ。

完全養殖に成功している代表格はマダイとヒラメなんだけど、最近ではブリやクロマグロ、マサバなども市場に出ているよ。

変わったところでは、世界三大珍味とされる魚卵食材「キャビア」を採るためのチョウザメも完全養殖ができている。日本水産は、これまで難しいとされていたマダコの完全養殖に成功し、2020年以降に出荷することを目指しているそうだよ。

ウナギは完全養殖には成功しているんだけど、まだ商売にはつながっていないんだ。卵からふ化したレプトセファルスという小さな幼生をシラスウナギと呼ぶ子どもに効率よく育てる技術ができていないからだよ。

完全養殖した魚が天然で捕れた魚よりおいしいかどうかはよく話題になるよ。人によって好き嫌いはあるけど、養殖の方が脂(あぶら)がのっているんだ。

日本水産グループの黒瀬水産(宮崎県串間市)は、完全養殖したブリを出荷している。成長を管理できるので、魚の味が最も良くなる旬(しゅん)の時期を変えることもできるよ。

ふつうのブリは冬が旬なんだ。黒瀬水産では昼と夜の長さや水温を調節して半年早く生ませた卵から育てることで、冬のブリのように脂がほどよくのったブリを夏に出荷できるようになったんだ。

いつでも好きな時に卵を採ることができるため、生産量を調節しやすく、魚を安定して食卓に届けることができるようになったそうだ。

自然の海で捕れた魚は、おいしい時期が決まっている場合が多い。それに、さまざまなエサを食べているから、身の食感や味は自然まかせだ。完全養殖では、魚のおいしさも管理できそうだね。

養殖した魚は病気を防ぐための薬漬けといわれたこともあったんだけど、今は病気を予防するワクチンが開発されて、薬の量は大幅に減ったよ。安心して食べられるようになっているんだ。

エサで脂肪燃焼、適度な脂に



博士からひとこと完全養殖では、人工ふ化した魚の赤ちゃんや、子ども(稚魚)を育てるエサが重要になる。タイやクロマグロ、ブリなどは、ワムシという微小動物などを食べさせている。エサを工夫すると魚の肉質も改善できる。
 黒瀬水産は、稚魚を親に育てるまでの間、魚粉に大豆かすなど植物性たんぱく質を混ぜた配合飼料を使う。魚臭さがなくなったという。出荷2カ月前にはトウガラシの成分「カプサイシン」が入った独自開発のエサを与え、適度に脂がのった肉質に仕上げているという。
 一方、ウナギの卵からふ化した幼生は、エサの特定に時間がかかった。アブラツノザメの卵を使ったエサを食べるとわかったが、そのまま与えてもほとんどオスになってしまうので、女性ホルモンを混ぜてメスを作るようにしている。完全養殖したウナギが市場に出回るようになるには、大量のシラスウナギを今より簡単に作る技術が必要だという。

(増養殖研究所ウナギ種苗量産研究センター、黒瀬水産に取材しました)

[日本経済新聞夕刊2017年9月9日付]

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