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高級腕時計「HUBLOT」 「東京に旗艦店もちたい」

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リカルド・グアダルーペCEOに聞く

2017.9.17

LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)傘下のスイス高級腕時計ブランド「HUBLOT(ウブロ)」が日本で攻勢を強めている。同社にとって日本は最大の市場で、8月下旬には京都・祇園に日本3店舗目となる直営店「ウブロブティック京都」をオープンさせた。リカルド・グアダルーペ最高経営責任者(CEO)に現状と今後の戦略について聞いた。




――京都に直営店をオープンさせました。

「ブティックは日本で3店舗目です。当社にとって日本は国別売り上げで最大の市場であり、今後の成長を見込んだ結果です。加えて、町家の保存と活用をめざす大丸松坂屋百貨店の『町家プロジェクト』に賛同しました」

「ウブロは『アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)』をブランドのコンセプトとしています。伝統と革新性を融合、フュージョンさせた今回のプロジェクトは、ウブロのブランドアイデンティティーに非常にマッチしていると思っています」

京都・祇園にオープンした「ウブロブティック京都」

「アート・オブ・フュージョンとは、伝統と革新を融合して新しいものを創造していくことです。1980年から使っているラバーのストラップをはじめ、セラミックやカーボンファイバーなど、当社は腕時計にあまり使われてこなかった素材を積極的に取り入れてきました。素材にとどまらず、駆動装置(ムーブメント)でも独自のムーブメント『ウニコ』を採用しています。ウブロがめざしているのは、革新性と芸術性でのリーダーです」

日本は非常に成熟し、かつ洗練されたマーケット。だから成功できた

――日本での成功の理由は何でしょうか。

「日本が非常に成熟し、かつ洗練されたマーケットだからです。アート・オブ・フュージョンといっても、ほかの国・地域ではなかなか理解してもらえない場合が多いのですが、日本の顧客には『ああそうなんだ』とすぐに分かってもらえました」

「アート・オブ・フュージョンというコンセプトを打ち出してから最初のコレクションで、まさにブランドの核であるモデル『ビッグ・バン』が受け入れられたことが非常に大きかったと思っています」

「日本に受け入れられて成功したことで、ほかのマーケット、特に中国、香港、台湾といった中華圏への影響力が浸透して、今後の成長が期待できるのではないかと考えています」

――どのような商品が売れていますか。

「一番売れているのはビッグ・バンです。今なおアイコニックなモデルで、一目でウブロだと分かってもらえます。この非常に力強いイメージのコレクションでブランドの認知度が高まり、『クラシック・フュージョン』というコレクションを出しました。こちらはスポーティー、シックな感じで、価格帯もビッグ・バンに比べると若干、手が届きやすくなっているので、新規の顧客を獲得できたと思います。この2つが二大柱になっています」