2017/9/17

――どのような顧客から支持されているのでしょうか。

「顧客としては75%が男性、25%が女性ですが、ゆくゆくは女性比率を35%くらいまで伸ばしたいと考えています。年齢は比較的若く、30~50歳代がメインとなっていて、その層が60~65%を占めています」

――日本の顧客に特にお薦めする商品はありますか。

ビッグ・バン ウニコ フルマジックゴールド(税抜本体価格、356万円))

「『ビッグ・バン ウニコ』です。ビッグ・バンの成功があったからこそ、ほかのコレクションを出すことができた。ウニコは全部で330個ほどのパーツでできている当社独自のムーブメントで、ゼロから開発したものです。ですので、この2つが合わさったビッグ・バン ウニコをお薦めしたいですね」

「さらにお薦めしたいのが『ビッグ・バン ウニコ フルマジックゴールド』です。『マジックゴールド』は18金なのに傷がつきにくいという合金で、ローザンヌ工科大学(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)と共同で開発しました。当社の研究開発の集大成といえるでしょう」

――今後の商品戦略を教えてください。

「詳細はつまびらかにはできませんが、ウブロは素材とムーブメントの研究開発に力を入れています。素材では本体ケースに採用したサファイアクリスタルです。もともとは2016年に発売したものですが今年、赤と青のサファイアクリスタルを出しました。18年はおそらく新しい色のサファイアクリスタルをご覧いただけるのではないでしょうか」

「ムーブメントについては、いろいろな複雑な機構のモデルが出ていますが、これらを再構築した新しいものを出したいと考えています。より手の届きやすい価格帯のものを考えています」

スマートウオッチを手がけるつもりはない。しかし…

――腕時計型ウエアラブル端末「スマートウオッチ」には参入しないのですか。

グアダルーペCEOは「ウブロはそもそも『時計を再解釈する』ことに重きを置いている」と語る

「ウブロはそもそも『時計を再解釈する』ことに重きを置いています。単に時刻を知りたいというのであれば、携帯電話もあります。そのような意味合いで、ウブロの時計が選ばれているとは考えていません。そうした意味で、スマートウオッチを手がけるつもりはありません。ただ、18年に向けて、面白いプロジェクトを進めているということは認めましょう」

――今後、日本市場をどう攻めますか。

「日本ではすでにかなりの成功を収めたと思います。ですから、急激な成長を望むのは難しいところがあるかもしれません。ハイエンドな時計ブランドのトップ3であり続けることもひとつの挑戦ではないでしょうか」

「東京・銀座に直営ブティックがありますが、さらに旗艦店となる店舗が東京には必要ではないかと考えています。米ニューヨークの5番街には、ビルのファサードにウブロ色を前面に打ち出した旗艦店があります。将来的にはそうした店舗が東京に必要ではないかと思っています」

Ricardo GUADALUPE
 1965年スイス生まれ。88年ブルガリのプロダクトマネージャー。スイス高級腕時計のブランパンのブランドマーネジャーやセールス&マーケティングディレクターを経て、2001年から独立時計師コンサルタントとして活躍。04年ウブロ入社、12年1月から現職。

(聞き手は平片均也)

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