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「脱サラ起業」という転職 成功と挫折、10の分かれ目 エグゼクティブ専門の転職エージェント 森本千賀子

2017/9/15

PIXTA

 中小企業庁のデータによると、年間の起業件数は約20万件でそのうち法人化するのは4分の1、つまり法人としての新規起業件数は年間5万件にのぼる。「転職」という意味を広く捉えると、この「起業」も選択肢の一つだ。私は転職エージェントとして「転職するか起業するか」の相談に応じることも多く、「起業」の道を選んだ結果、成功する人、失敗する人のケースを数多く見てきた。今回は、その「成功と失敗の分かれ目」はどこにあるのかをお伝えしよう。

■転職か起業か、同時に検討する人も多い

 私は転職エージェントとして、日々転職の相談を受けていますが、中には「起業も選択肢の一つとして考えている」という方もいます。

 確かに、現状の不満を解消し、希望やビジョンをかなえようとするのであれば、他の企業に転職するだけでなく、自ら事業を立ち上げるという道もありますよね。

 では、「起業」を考える理由とは何でしょうか。人それぞれですが、「もともと起業したいという夢を抱いていた」「働いた分に見合う収入を得たい」「人から指示されるのはもう嫌だ。自分の裁量で仕事をしたい」「自分が理想とする商品やサービスを実現させたい」といった声がよく聞かれます。一方で、「早期退職制度により会社を辞めたが、希望に合う転職先企業が見つからない」といった、やむを得ない事情の場合もあります。

 転職活動と起業プランニングを同時に進めた結果、起業の道を選ぶ方もいます。さらには、起業してビジネスを軌道に乗せた方から、パートナーとなる人材採用の相談を受けることもありますし、逆に、「起業したがうまくいかなかったので、もう一度転職相談に乗ってほしい」と再訪される方もいます。

 こうした方々とお話をする中で、脱サラして起業する「成功の秘訣」と「失敗パターン」が見えてきました。

■起業前に挫折、起業後に苦悩…その原因は?

 起業の準備にとりかかってみたものの途中で挫折する、あるいは起業後に行き詰まってしまうパターンには、次のようなものがあります。

(1) 共同起業者とすれ違いが生じる

 起業を考える場合、単独ではなく、会社の同僚やビジネススクールなどで知り合った人と手を組むケースが多数。ところが、経営方針やビジネスの方向性を話し合う途中で意見にズレが生じてきたりします。単独で起業に踏み切るほどの勇気が持てず、断念することになります。

(2) やりたい事業でも、発展性がないことに気づく

 「せっかく自分の会社を興すなら、やりたいことをやる!」と思うのは当然ですよね。「人や社会の役に立ちたい」という理想を抱く方も多くいます。

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