元バイトが指揮、電話7万件さばくショップチャンネルジュピターショップチャンネル(上)

ケーブルテレビ網に乗って拡大したのは同じでも、米国のテレビ通販が地方の顧客をつかんで大きくなったのに対し、そのノウハウを日本に持ち込んで発展したジュピターショップチャンネルは、都市部の顧客をつかんで大きくなったところに大きな違いがある。顧客を集めたパーティーを開くと、自称「ショップチャネラー」のファン同士が商品の話題で盛り上がる。仲間意識が強いのだ。

アルバイトから正社員、コールセンターのトップへ

鈴木氏は05年、アルバイトとしてこの会社で働き始めた。高い時給にひかれて夜勤のオペレーターをしていたという。会社が完全24時間生放送を開始したのはその前年、04年9月のことだった。

鈴木氏は、アルバイトから始めてキャリアを積み上げた

売上高の推移を見ると、04年が503億円だったのに対し、05年は761億円、06年は997億円にまで伸びている。その後も売り上げは順調に推移し、17年3月期は前年比11.1%増の1549億円にまで拡大している。鈴木氏が働き始めたのは、ちょうど会社が急成長を始めた時期にあたる。

「アルバイトだったころから、深夜にこんなにたくさん電話がかかってくる職場って、おもしろいなと思っていました。受ける電話の本数が日ごとに増していくのを感じていましたから、この会社はきっと大きくなるだろうなとも思いました」

彼の上長で、オペレーション本部長補佐兼受注オペレーション部長の佐藤多世子氏は「アルバイトからキャリアを積み、コールセンター業務に精通している。現場の声を効率的に集約できるのが彼の強みであり、周囲からの信頼も厚い」と、抜てきの理由を語る。鈴木氏もそれに応えるように、「一般にコールセンター業務というと受け身のイメージが強いですが、うちの場合、お客様からの情報を全社的に発信できるところにおもしろさがあります。これからも、どんどん攻めていきたい」と抱負を語る。

電話で連絡を取り合うセールスプロデューサーと懇親会を開くなど、番組制作サイドとの連携も強化している。「やはり、一度でも会ったことのある相手と話すほうがコミュニケーションをとりやすいですから」

例年、最も忙しいのは11月1日だという。この日は放送開始日を記念し、丸一日かけたセールスイベントを実施しているからだ。スタッフはその日のために作ったそろいのTシャツを着込み、カウントダウンしながら入電を待つ。この日も11月1日に向けて、何人かの新人オペレーターをトレーニングしている最中だった。

いつも回線がパンクするほど注文が殺到するが、「16年の11月1日はこれまで経験したことがないほどすごかった」。結局、16年は11月1日だけで28.7億円を売り上げたという。コールセンターとスタジオが密に連携しながら、高速でPDCAサイクル(計画、実行、評価、改善を継続的に繰り返すこと)を回し続けた結果だ。17年はどうなるのか、プレッシャーもかかる。

次回はバイヤーから執行役員となった女性に話を聞く。

(ライター 曲沼美恵)

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