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スマホの新トレンド分析 追われなくなったアップル

佐野正弘のモバイル最前線

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NIKKEI STYLE

毎年8月から9月にかけては、クリスマス商戦を見据えて、世界的にスマートフォン(スマホ)の新製品発表が相次ぐシーズンとなる。中でも多くのメーカーがターゲットにするのが、ドイツ・ベルリンで実施される家電・ITの総合見本市イベント「IFA」である。

かつてはアップルがiPhoneで採用した技術を他社が後追いするケースが多かったが、いまやアップルはけん引役ではなくなっている。2017年9月1日から6日に開かれたIFA 2017で発表された新製品から見えてくる今後のスマホのトレンドを分析しよう。

デュアルカメラは標準的機能に

大きなトレンドの一つは、2つのカメラを搭載した「デュアルカメラ」である。デュアルカメラは、既にファーウェイの「HUAWEI P10」シリーズやアップルの「iPhone 7 Plus」など、いくつかの機種に搭載されており、2倍ズーム相当の望遠撮影ができたり、ボケ味のある写真を簡単に撮影できたりするなど、スマホ写真に新しい価値をもたらしている。

デュアルカメラをリードしたのはファーウェイで、昨年まではそれ以外はアップルとLGエレクトロニクスくらいしか採用メーカーがなかった。それが、17年8月にASUSが「ZenFone4」シリーズで、サムスン電子が「Galaxy Note8」でデュアルカメラを採用するなど、採用するメーカーが急増している。IFAで発表されたスマホではレノボ傘下のモトローラ・モビリティの「Moto X(第4世代)」などがデュアルカメラを搭載している。

ユニークなのが日本にも進出しているフランスのWikoが発表した「VIEW Prime」。通常の写真撮影に使うリアカメラではなく、自分撮りに用いるフロントカメラをデュアルカメラにした。ハイエンドモデルだけでなく、ローエンドモデルまで、デュアルカメラ採用機種は急増している。今後デュアルカメラがスマホカメラのスタンダードとなってきそうだ。

一方で、ソニーモバイルコミュニケーションズは相変わらずシングルカメラにこだわりを見せている。同社が発表した「Xperia XZ1」「Xperia XZ1 Compact」は「Xperia XZ Premium」と同じ1900万画素のメモリー積載型イメージセンサーを採用。新たに子供の笑顔を逃さない先読み撮影機能や、カメラで人の顔などを3Dデータとしてスキャンできる「3Dクリエーター」など、高いカメラセンサーの性能を生かした質や楽しさを追求している。だがデュアルカメラの波は世界的に大きなものとなっているだけに、同社のシングルカメラへのこだわりは、かえってあだとなる可能性もありそうだ。

大画面で持ちやすい縦長ディスプレーが急増

デュアルカメラに続く大きなトレンドとなりそうなのが「縦長ディスプレー」である。スマホのディスプレーサイズは大型化を続けているが、大画面になるほど横幅が広く、持ちづらくなる。そこで最近、従来の16:9の比率から、18:9や18.5:9といったより縦長の比率を採用したディスプレーを搭載したスマホが増えつつある。大画面ながら横幅が狭く、持ちやすくなる。

縦長のディスプレーといえば、日本でも発売されているサムスン電子の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」が代表的存在。18.5:9の比率のディスプレーを採用している。同じ韓国企業のLGエレクトロニクスも縦長ディスプレーに力を入れており、17年2月に発表された「LG G6」(日本未発売)に続き、今回発表した「LG V30」もディスプレー比率が18:9と、縦長比率の有機ELディスプレーを採用している。

今回のIFAでは、他にもいくつかの企業が縦長比率のディスプレーを採用した新機種を発表した。先に触れたWikoの「VIEW Prime」などの「VIEW」シリーズも、18:9の縦長比率のディスプレーを大きな特徴として打ち出しているモデルの一つだ。

テレビや冷蔵庫など、家電の分野で日本に進出している中国のハイセンス(Hisense)も、やはり18:9比率のディスプレーを採用した「INFINITY H11」を発表している。他にもいくつかのメーカーが縦長比率のディスプレーを採用した機種を投入している。縦長ディスプレーはデュアルカメラに続くスマホのトレンドとなりそうだ。

防水防じんの次に来るのは「耐衝撃」か

さらにもう一つ、今後の大きなトレンドになり得る可能性があると筆者が見ているのが「耐衝撃」だ。

その理由は防水防じん性能の広まりにある。従来、ソニーモバイルなど日本のメーカーが力を入れてきた分野だが、16年ごろから国外のメーカーでも採用例が増えている。

防水防じん性能はこれまで、フラッグシップモデルの差異化要素として採用される傾向が強かった。だが最近ではそれがミドルクラスのモデルにも広まりつつある。例えば、先に触れたMoto X(第4世代)は、粉じんが内部に侵入せず、長時間水の中に入っていても大丈夫な「IP68」の防水性能を搭載し、それをセールスポイントの一つとして打ち出している。

そこで、防水防じんの次に向けた動きとして、やはり日本のメーカーが力を入れている、耐衝撃性能に力を入れるメーカーが現れつつあるのだ。前述のLG V30は、IP68の防水防じん性能に加え、米国防総省が定めたMIL規格(MIL-STD-810)に準拠する耐衝撃性能を搭載。普段使いのスマホながら頑丈であることを特徴の一つとしている。

iPhone以外のスマホがトレンドのけん引役に

そして、ここまで挙げたトレンドから、もう一つの大きな変化が起きていることがわかる。それは、スマホのトレンドのけん引役がiPhoneではなくなりつつあることだ。

従来スマホのトレンドは、年に1度発表されるiPhone新機種の影響を大きく受け、iPhoneの機能やデザインを他のメーカーがフォローする傾向にあった。だが先に挙げたスマホトレンドをけん引しているのは、iPhoneではない。

実際、縦長ディスプレーのけん引役はサムスンやLGなど、ディスプレー技術に強みを持つ韓国企業であるし、デュアルカメラをいち早く採用してヒットをもたらしたのは中国のファーウェイだ。防水防じんや耐衝撃性能は、日本のメーカーが力を入れてきた要素が広まったものといえる。2017年9月12日(米国時間)に発表された新iPhoneが採用した無線給電も、既にサムスンなどが導入している。

無論、「次のiPhoneが何を採用するか」への関心は依然として高い。IFAはiPhone新機種の発表前だったが、いくつかのケースメーカーが「iPhone 7s」「iPhone 8」といった型番のスマホ向けケースをいち早く展示していた。iPhoneの人気が大きく衰えているわけではない。

だが他のメーカー全てがiPhoneをひたすら追いかけることで市場トレンドが形成されるという状況は大きく変化しており、iPhoneが他のメーカーを追いかける部分が増えてきたというのもまた事実だ。それだけに今後は、どのスマホメーカーにも次のトレンドを生み出すチャンスが出てきたといえそうだ。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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