営業職、接客業、座り仕事… 高血圧になりやすいのは
この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。
(1)美容師などの接客業
(2)宴席が多い営業職
(3)長時間座りっぱなしのシステムエンジニア 正解は、(3)システムエンジニア です。 予防医学の研究者で、働き方と健康リスクについて研究している東京大学政策ビジョン研究センター特任助教の古井祐司さんは、「食事や運動などの生活習慣は個人の問題だと思われてきましたが、1日の大半を過ごすのは職場です。仕事によって特有の行動パターンがあり、それが、健康リスクにつながっている可能性があります」と言います。 例えば、美容師などの接客業は、客の都合によって食事の時間が不規則になりがちだ。菓子パンとジュースなどで食事を済ませがちなので、高血糖になりやすいそうです。また、営業職は宴席が多く、過食過飲になりやすいためコレステロール値や中性脂肪値が高くなりやすい。システムエンジニアは長時間座りっぱなしで、夜間までストレスによる緊張が続く場合は血圧が上がりやすいという。仕事に特有の行動パターンが健康リスクにつながる
生活習慣は、なるべく「小さく」変える
健康リスクのために生活習慣を見直すのであれば、小さく変えることが重要です。顧客の都合優先で食事の時間が不規則になりやすい人は、菓子パンではなくおにぎりにすると、それだけで血糖値の急上昇が防げます。宴席が多い人は、つまみを食べる順番を変えて、揚げ物ではなく、野菜や海藻などから食べ始めると、血糖値の急上昇や、脂質の代謝の低下を防げます。
パソコンに長時間向かっている人は、1時間に1回はお茶や水を飲み、深呼吸やストレッチをすると、副交感神経が優位になってリラックスでき、代謝もアップします。
健康リスクが高い人ほど焦ってライフスタイルを大きく変えようとしますが、長年培ってきた習慣には形状記憶合金のような復元性があり、大きく変えようとするほど元に戻りやすいもの。
生活習慣の小さな変化のほうが、すぐには効果は出ませんが、チリも積もれば山となり、最終的には大きな変化につながります。まずは小さく始めましょう。
[日経Gooday 2017年8月28日付記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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