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要注意の米欧金融政策 市場も波乱含み(窪田真之) 楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

2017/9/12

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「日経平均株価が低調な背景には円高がある」

 今年の日経平均株価は不思議な動きをしています。国内景気や日本企業の業績は好調ですが、外国人投資家の売りで、株価はなかなか上がりません。背景には円高が進んでいることがあります。

 外国人投資家は円高になると日本株を売る傾向が鮮明です。9月は一時1ドル=107円台まで円高が進んだことが嫌気されました。北朝鮮情勢の緊迫化が円高・株安につながっている面もありますが、それだけではありません。

 円相場の行方を占ううえで大きな鍵を握るのが米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の金融政策です。まずFRB。市場の当面の関心事は9月19~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)とイエレンFRB議長がどのような政策を発表するかです。

■FRBは資産縮小を決定へ

 FRBは2015年12月にリーマン・ショック後では初めて利上げを実施しました。以来、今年6月までに計4回利上げしました。利上げを実施するにせよ、小休止するにせよイエレン氏は記者会見などを通じて市場と対話し、金融政策を事前に織り込ませる戦略を取ってきました。突然の決定で金融市場が動揺しないようにするためです。

 イエレン氏は量的金融緩和により膨らんだ資産の早期縮小に意欲を示しており、すでに6月に縮小方針を示しました。9月のFOMCでは資産縮小を正式決定するとの見方が強まっています。一方、「今後の利上げのペースは鈍くなる」と利上げについては見送りを示唆し、ハト派・タカ派の両方に配慮したメッセージを出しています。

 しかしながら、金融市場は今のところハト派メッセージだけに反応し、タカ派メッセージは無視する形となっています。このためドルの金利は足元では低下しており、これが円高につながっています。

 イエレン氏の示唆通り、9月は利上げを見送るが、資産縮小を決定する場合、金融市場はどう動くでしょうか? それはタカ派的メッセージが焦点になると思います。つまり、資産縮小をどれくらいのペースで行うかです。

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