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オードリー若林 キューバ一人旅で「自分をリセット」

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NIKKEI STYLE

人気芸人でありながら、著述家としての顔も持つオードリー・若林正恭。待望の単著2作目は、弾丸スケジュールで敢行したキューバ旅行記。人見知りと名高い彼が、なぜたった一人でキューバを目指すことになったのか――。

芸人が書籍を発表する機会が珍しくない昨今にあって、本を愛する「読書芸人」としても頭一つ抜けた存在感を放つオードリー・若林正恭が、7月14日にKADOKAWAより2作目となる単著『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』をリリースした。今作は、インドアなイメージが先行する若林からは想像できない、キューバへの一人旅をつづった旅行記。人見知りの彼の目に、楽園と呼ばれるキューバはどう映ったのだろうか?

「ここ1週間に起こったことはあまり思い出せないのに、キューバの3日間はすぐに思い出せるくらい衝撃的でした。帰国から1年がたとうとしているのに、いまだに記憶が鮮明なことに自分でも驚いているんです。前作『社会人大学人見知り学部卒業見込』は社会とのズレをつづった内容でしたが、その違和感は社会が作ったシステム上の悩みなんじゃないか? だったら、違う社会はどうなんだろうって。日本とはまったく異なる社会で暮らすキューバの人々の姿が忘れられないですね」

若林は、2017年春から『潜在能力テスト』(フジテレビ系)のMCを含め、新たに3本のレギュラーを担当するなど超多忙な日々を送る。今回のキューバ旅行も、奇跡的にスケジュールが空いた5日間を利用して、弾丸スケジュールで敢行したという。

「年末年始を除くと、08年以来初めて5連休をいただいた。頑張ったご褒美と思う反面、うちの会社にも『働き方改革』が必要だなって(笑)。それだけ必要とされていることはありがたいんだけど、ずっと働いているとコーヒーかすが溜まっていくように、気持ちの中に何かが沈殿していくというか。リセットできる機会があるなら、いつか思いっきりかすを捨てに行ってみたかったんですよね」

ツッコミを放棄したかったのかも

急きょ空いたスケジュールだったため、自分で航空券を手配し、領事館でビザを申請し、宿もブッキングした。若林は、「インドアで消極的な自分からは想像できない行動力だった」と笑いながら振り返る。飛行機の空席が残り1席しかなかったため、キューバへは一人で行くことを決めた。

「海外旅行に対する憧れは強かったけど、一人で海外に行ったことがないから、もちろん不安はありました。でも、芸人仲間と出かけるとボケたりツッコんだり、無理にエピソードを作ったりしてしまう。僕はツッコミを放棄することを望んでいたのかもしれない(笑)。純粋に普段の日常や仕事から解放されて、ただ『すげぇ』って言うだけで許される休日を過ごしたかった。実は、後輩芸人とグアムにある有名なポールダンスをひたすら見続けるという案もあったんですけど、一人旅を選んだ自分を褒めたいです」

キューバでの様々な発見は、著書の中でも十分に書かれているが、中でも彼は「キューバには、人に対して優しくする時間と余裕があった」と噛みしめるように回想する。

「日本の場合、友達と飲みに行くにしても、自意識過剰を筆頭とした『ダサく見られたくない!』って意識が働くと思うんですけど、キューバには競争意識みたいなものがあまりない。自然とみんなが素直で優しいから、その優しさが伝播して僕も優しくなれた。『俺ってこんなにフランクなのか?』って驚くと同時に、東京にいるときはそういった余裕があまりないんだろうなって」

キューバは、街に広告の看板がなく近代的な高層ビルもない。クラシックカーが颯爽(さっそう)と走り、自然と街が融合している。ネットのつながるエリアも限られているため、情報に追われることもない。日本の都会とは何もかもが違う。

「都会で生活を続けていると、異常なことでもいずれその感覚が麻痺して日常化する。キューバの暮らしに触れたことで、『やっぱり自分は東京という異質な世界で仕事をしているんだ』って気が付けて気持ちが楽になった。何の病気か分からないより、どんな病気でどういう治療法があるのか分かっている方が割り切れるというか」

書くべきか否か悩んだこと

今作は、当初から書き下ろしが決まっていたわけではなかったという。帰国後、しばらくたってから書き始め、仕事の合間を縫って約200ページを書き上げた。

「本当はもっと料理の写真や情報を盛り込んだ『キューバ楽しいよ!』という旅行記にするつもりでした(笑)。でも、書くにつれ内面がにじみ出てきて、『また若林の面倒臭い部分が出てる』的な成分が多くなってしまった。正直、書きすぎたと思っているので…あまり売れてほしくない(苦笑)」

そして、「もう一つ葛藤したことがあった」と彼は続ける。

「キューバを選んだ理由の一つに、亡くなった親父の存在がありました。旅行中もずっと親父が話しかけてくるような不思議な感覚の中にいて。その部分を書くか悩んだのですが、親父との対話をスルーしてしまうと、この旅行記は着地できないだろうなって」

著書の中で、「知ることは動揺を鎮める」という印象的な一文が登場する。

「世の中の違和感に対して変だと思いながらも、『そういうもんだよ』って自分を納得させながら、みんな年を重ねていくと思うんです。僕も何かを悟ったような雰囲気を出せるアラフォーのおじさんになりたいんだけど、それができなくていつまでも中二病よろしく『なんでなんで?』って聞き続けてしまう(笑)。その処方箋として、一人で海外に出かけるということは、とても有意義で価値のある経験だと分かりました」

本作は、「旅行に行きたいけど…」と二の足を踏んでいる人にもぜひ読んでほしい内容だ。多忙な人間が短期間の海外で気付いたこと。それは今までにない新しい旅行記の姿でもあるからだ。

「次は、遊牧民が暮らすモンゴルや、働き方に独自のルールを持つデンマークやドイツなどに行ってみたい。とはいえ、いつ連休が取れるか分からないので、それまでは最近始めたゴルフの打ちっぱなしでガス抜きをしようかなぁと。『一人カラオケ』『一人ファミレス』と違って、打ちっぱなしって唯一独身のアラフォー男性が一人で行ってもおかしくない聖域なんです(笑)。僕にとって自分と向き合える大切な場所って、誰からも後ろ指をさされない場所でもあるんですよね、きっと」

(ライター 我妻弘崇) 

[日経エンタテインメント! 2017年9月号の記事を再構成]

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