ネットの遅さ解消 Wi-Fi中継器は安くても効果あり
自宅のWi-Fi環境で、一部の部屋だけウェブページの表示が遅かったり、ユーチューブの動画が途切れたりすることはないだろうか。Wi-Fiの電波は親機から離れたり、ドアや壁で遮られたりすると急激に弱くなる。電波が弱いと通信速度が落ちるが、そんな状況を手軽に改善できるのがWi-Fi中継機だ。2000円台のモデルでもネット環境の改善を見込める。中継機の選び方や実際の製品、さらにネット環境改善に役立つアプリも紹介しよう。
2000円台の機器でも電波は改善
Wi-Fi中継機は親機の電波をキャッチして電波を再送信する。親機とパソコンやスマホなどの子機の間に設置すれば、電波が届く範囲を広げられる。中継機は小型化が進み、コンセントに挿し込むだけで設置できる機種が人気だ。電源ケーブルが不要なので邪魔にならないのがメリット。2000円台で手軽に購入できるのは11n対応モデルだが、電波の改善は十分に見込める。
もちろん、親機や子機が11ac対応なら高性能モデルを選ぶのもよい。
また、一戸建てで2階や3階の電波環境を改善したいなら、可動式のアンテナを備えた製品が向いている。
1 設置しやすいのはコンセントじか挿し型
2 小型タイプならコンセントを占有しない
3 親機のWi-Fi規格に合った子機を選ぶ
ここでは「大きさ」「性能」「価格」という基準で選んだ3モデルを紹介する。
WN-G300EXP(11b/g/n対応)/インテリアになじむ小型デザイン:アンテナ内蔵で縦横4.2センチのコンパクトさが身上のコンセントじか挿しタイプ。3000円以下という安さも魅力だ。親機の電波強度をランプの色で知らせる。Wi-Fiの規格は2.4GHz 帯の11n 対応で最大300Mbps。
WEX-1166DHP(11a/b/g/n/ac対応)/可動式アンテナ搭載で戸建て向き:上部に2本の可動式アンテナを搭載し、最大866Mbpsの11acに対応した高性能モデル。広い範囲で電波を改善しやすいので一戸建て向き。コンセントじか挿しタイプとしてはサイズは大きめ。
TL-WA850RE (11b/g/n対応)/大きめだが手ごろな入門モデル:2000 円台前半の手ごろな入門モデル。本体サイズは高さが11センチと大きめ。とはいえ、コンセントの最上部に設置すればそれほど問題ないだろう。2.4GHz帯の11n対応で最大300Mbps。
電波の強さがわかる無料スマホアプリ
中継機を導入する場合、事前に電波の強さを確認しておきたい。電波の強さは目で見えないのが厄介だが、無料のスマホアプリ「Wi-Fiミレル」(アイ・オー・データ機器)を使えば、電波状況を数値で確認できる。電波強度が色でわかる「ヒートマップ」機能もある。
「ヒートマップ」機能では、間取り図上に電波状況を色分け表示できるので、どの部屋の電波が弱いのかが一目瞭然だ。
ヒートマップを参考に、廊下のコンセントに「WN-G300EXP」を設置したところ、電波が弱かった部屋の状況が大幅に改善。通信速度も20Mbpsを超え、ユーチューブの動画もストレスなく視聴できた。※測定に使用したWi-Fi親機はIEEE802.11n(最大300Mbps)に対応。
電波が強いのに通信速度が芳しくない場合は、周囲の家庭に設置された親機とチャンネルが重複していないかチェックしてみよう。アンドロイド用アプリ「Wi-Fiオーバービュー360」は、周囲で使用中のチャンネルがひと目でわかる。親機同士のチャンネルが重複すると通信速度が落ちるため、重複が続くようなら、自分の親機のチャンネルを変更するとよい。
(文 磯修)
[日経PC21 2017年8月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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