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謎の「高速電波バースト」 30億光年先で再び発生

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ナショナルジオグラフィック日本版

遠い宇宙で何かが生まれ、その謎に満ちた物体が宇宙空間に向かって繰り返し膨大なエネルギーを送り出している。

その物体が何なのかは明確にはわかっていないが、科学者らはこの現象を「高速電波バースト(Fast Radio Burst)」と呼んでいる。持続時間はほんの一瞬だが、非常に強力な電波の放出だ。先日、天文学者らが、30億光年かなたにある銀河から繰り返し発生する高速電波バーストを観測した。

地球外生命体探査プロジェクト「ブレークスルー・リッスン」に参加している科学者らが今回の発見に至ったのは、幸いなことに、彼らには見るべき場所がよくわかっていたためだ。研究チームは、米ウェストバージニア州にあるグリーンバンク望遠鏡を、過去に「FRB 121102」と呼ばれる高速電波バーストが観測された空に向けていた。

これまでに観測されたおよそ24の発生源のうち、繰り返し高速電波バーストを起こすことがわかっているのはFRB 121102だけだ。このため、FRB 121102だけが唯一、どこの銀河で発生しているかが判明している。2016年末、数基の望遠鏡を使用して、その発生源の特定が行われたからだ。

この発見の後、FRB 121102は長い間沈黙を守っていた。これまで静止と活動を繰り返していたとはいえ、この沈黙は気がかりだった。

「高速電波バーストを研究するチャンスが失われたのではないかと思いました」と語るのは、米カリフォルニア大学バークレー校のケーシー・ロー氏だ。「今回の観測結果は、FRB 121102が再び活動期に入り、こうした強力な電波バーストを、何がどのように発生させているのかを観察しやすくなったことを示すものです」(参考記事:「重力波検出に成功、30億年前のブラックホール衝突」)

原因には地球外文明説も

2007年に初めて観測された高速電波バーストは、今も根本的に不可解な存在だ。電波バーストを発生させているものの正体は判明していないが、ただそれが非常に遠くからやってくるものであり、また極めて強力な磁場のある場所から発生することがあるというのはわかっている。

ブレークスルー・リッスンのチームは、知的生命体の発する無線電波探査に使う装置をテストするためにFRB 121102の観測を続けていた。このほか、帯域の狭いパルス信号が、銀河間にある星間プラズマなどの障害の中を通り抜ける間にどのように変化するのかを解明することも、彼らの目的のひとつだ。

バークレー校SETIセンターのアンドリュー・シーミオン所長によると、地球外文明から発せられる信号は主にこうしたタイプだと考えられるという。

FRB 121102はしばらくの間、すっかり活力を失ったかのように見えていた。しかし2017年8月26日、ブレークスルーチームは、1時間に15回のバーストを観測した――これはFRB 121102から発せられたバーストとしては、2016年の同時期以来、最も多い回数だ。今回のバーストはまた、これまでで最も高い周波数帯で確認されており、これは電波バーストの放出が非常に変動しやすいものである可能性を示している。

なぜFRB 121102が再び活発になったのか、また今回のバーストが、こうした現象の発生源を突き止める手がかりとなるのかどうかはまだわからない。研究者の間には、今回電波バーストが観測された原因は、発生させる力が何かということとはあまり関係がなく、むしろ周期的にこれを増大させている宇宙空間のさまざまな「レンズ」にあるのではないかという意見もある。

「(FRB 121102の)『高速電波バーストの嵐』は、これまでにも幾度か観測されています。2016年8月から9月にかけては、超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)がずっと空振りを続けたあと、突如として爆発したかのように、毎回バーストが観測されるようになったのです」と、米コーネル大学のシャーミ・チャタジー氏は言う。

「恐ろしいほどのエネルギーを放出」

「2016年と2017年で、同じ月にバーストが観測されているというのも驚きです。これはあるいは、電波を増大させている何かのレンズがそうした幾何学的な配列を形作る特定の時期に、バーストが観測しやすくなるということなのかもしれません。これはまだまるで根拠のない無謀な推測に過ぎませんが、正解でないと決まったわけでもありません」

謎に包まれた高速電波バーストの発生源に関しては、これよりもさらに無謀な、数々の推測が展開されている。過去に提唱されてきた理論には、原始ブラックホールや中性子星の衝突のほか、地球外文明の関わりを示唆するものもある。とはいえ一般に、エイリアン説は真剣な議論の対象にはならない。

「天文学会では、今回の高速電波バーストの発生源に地球外生命体が関わっている可能性は低いという意見が大勢を占めており、これにはわれわれも同意します。それでも、発生源が深い謎に包まれていることは確かです」とシーミオン氏は言う。「宇宙には、技術を持った生命体を生じさせる能力があることは間違いありません。この可能性を最初から排除することは、科学者としては怠慢でしょう」

現在、研究の対象となっているのは主に超新星爆発の残骸で、極めて高密度で強力な磁場を持つ中性子星の「マグネター」だ。この回転する中性子星は、宇宙空間に向かって大きなフレアを発生させているが、フレアが連続した高速電波バーストと関連しているのかはまだわかっていない。

また、FRB 121102が活動がとても活発なせいで、マグネターの磁力が枯渇したということもあり得るとロー氏は言う。「電波バーストは恐ろしいほどのエネルギーを放出しているのです」

(文 Nadia Drake、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年9月6日付]

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