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部下が上司にパワーハラスメントをする「逆パワハラ」がジワリと広がっている。働き方改革が進むなか、上司からのパワハラに対する目は厳しくなっているが、なぜ逆パワハラが起きるのか。インターネットの普及で、職場の環境や働き方が大きく変わり、上司と部下の関係にもゆがみが生じていることが一因のようだ。逆パワハラの実態や対処法などを田辺総合法律事務所(東京・千代田)の弁護士、友常理子さんに聞いた。

部下から辛辣なメール

「部長失格!」

都内の大手企業に勤める50代の部長のAさんに部下の30代のBさんからメールが届いた。両者はデジタル関連の部門にいたが、年配のAさんはIT(情報技術)に疎い面もあった。Bさんは、「部長の指示は不適切、管理者としての能力を疑う」という辛辣なメールを何度も送った。

さらにBさんからAさんに「資料を書き直して」とまで要求、まるで上下関係が逆転するような状況になり、Aさんは自信喪失の状態に陥ったという。

だが、誰にも相談できなかった。デジタル技術に関しての知識は明らかにBさんの方が上。Aさんが直属の上司に相談すれば、自らの無能ぶり、管理能力不足を露呈するだけ。結局、思い悩んだAさんは精神疾患になり、事態が発覚。Aさんは人事異動になり、上司と部下の関係は解消された。

「厚生労働省などでは、2012年ごろにはすでに『逆パワハラ』といわれるようなケースが取り上げられていました。さすがに部下が上司に暴力を振るうといった極端な事例は、ごく少ないものの、嫌がらせをされたり、無視されたりなど部下からハラスメントを受けたという相談も実際にみられるようになってきました」。友常弁護士はこう話す。

ただ、部下からの逆パワハラは、実態を把握しにくい。

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