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どの会社にもなぜか「いなくてもよいおじさん」がいます。学歴は高いらしいし、言っていることももっともらしい。いつもなにがしかの仕事をバリバリしているっぽい。会議でもしっかり発言もする。客先に行っても必ず何かは話している。けれども役職についているわけではないし、責任や権限を持っているわけでもない。あの人なんだろう?と思うことがありますが、誰でもそうなってしまう危険性はあるのです。

いなくてもよい人がいるのはなぜ?

ある大企業の人事改革プロジェクトを進めてしばらくした時、先方の窓口になっている30代半ばの課長代理がふと「Fさんって不思議な位置づけですよね」ということをつぶやきました。

Fさんというのは、人事部ではなく総務部に所属する次長で、人事改革プロジェクトのオブザーバー的に参画している人でした。年齢はおそらく50才前後。社内のさまざまな部署の経験を積んでいて、社内事情に詳しいだけでなく、人事についても勉強をしっかりされているようです。会議の場では、コンサルタント側が提示した資料をしっかり読み込み、自分なりの意見を示してきます。ちょうどその時の会議でも、こんなやりとりがありました。

Fさん「なるほど。このように行動評価基準が、弊社の統計的に読み取れたわけですね。しかし私の経験からいえば、これらの行動基準はどうもしっくりこないですね」

コンサルタント「たとえばどの基準がしっくりこないのでしょう?」

Fさん「うーん、そうだなぁ……たとえば『チャレンジ』という行動基準ですが、すべての仕事でチャレンジができるわけでもないでしょう。だとすればチャレンジという基準を全員に適用するのはいかがなものでしょうね」

コンサルタント「なるほど。ただ先日の社長インタビューでも『チャレンジ』はとても重要だとお話されていましたし、新5カ年計画でも一番最初に出てくるキーワードです。今までがそうでなかったからこそ、チャレンジを重視するというメッセージにはなりませんか?」

Fさん「そういう考え方もありますか。まあ私の意見はあくまでも現場の意見ですから」

コンサルタント「他にはどんな点がしっくりこないでしょう?」

Fさん「いや、まあしっくりこないというだけですよ」

課長代理はそのときのFさんとコンサルタント(私)とのやりとりで、首をかしげたそうです。

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