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World Food Watch

北京ダック風クイ 美食の国の伝説的シェフが作る逸品

2017/9/14

 ペルーは南アメリカ大陸の西部に位置する人口約3000万人の国。129万平方キロメートルという日本の約3.4倍にあたる国土に、まったく異なる地形とそれが育むバラエティー豊かな自然環境が混在している。

 昨今は「美食の国」として世界のグルメたちから注目を集めており、その理由の一つはこの異なる自然環境が生み出す豊富な食材によるところが大きい。

 米航空宇宙局(NASA)も認めたスーパーフード(一般的な食品よりも突出して必須栄養素や機能性成分を含む食品のこと)として知られるキヌアや、最近日本でも見かける根菜のヤーコンなどもペルー原産。ペルーにはユニークな食材が多い。

 ペルーはその地形によって大きく3つに分けることができる。一つは太平洋側に面した砂漠性気候の「コスタ」。首都リマはコスタに当たる。二つめはアマゾン川流域の「セルバ」、そしてアンデス山脈の高地「シエラ」だ。

 日本人にとってペルーの典型的なイメージはシエラかもしれない。ユネスコの世界遺産として知られる、15世紀インカ帝国時代の遺跡「マチュピチュ」もシエラだし、高級繊維として知られ、動物園でも人気者のアルパカもまたしかり。ちなみにペルーではアルパカも食べる。

 私が首都リマに住んでいたころ、一時帰国の際にシニア世代の方々には「やっぱりコンドルが飛んでるの?」と聞かれた。ペルーの有名なフォルクローレ(民謡)で、1970年代に米国のフォークデュオ、サイモン&ガーファンクルがカバーして有名になった「コンドルは飛んでいく」(原題「El condor pasa」)という歌のイメージが強いようだ。これもシエラにいるタカ目の鳥類。なお、コンドルは食べない。そして、首都リマではコンドルは飛んでいない。

 今回はこのシエラの代表的な食材の一つをご紹介しよう。

南米の山間部に生息するクイ=PIXTA

 代表的、かつ、もっともインパクトがあるシエラの食材はなんといっても「クイ(cuy)」だろう。これはコロンビア、ボリビア、アルゼンチンなど南米に生息する「テンジクネズミ」という動物。

 というような説明を日本人にすると、たいてい「げっ! ネズミ!?」と「なんて不潔な!」というニュアンスを含んだ反応が返ってくる。なので、「いや、ネズミというよりモルモットに近いかな」とあわてて言い直すと、今度は「え、あのかわいいモルモット? かわいそう……」と残虐な人扱いされてしまう。

 事実クイはモルモットの原種で、見た目もかわいいらしい。私たちが知っているモルモットと違うのはその大きさ。3~4倍くらいだろうか。耳の短いウサギって感じだ。

 モルモットを食べるというだけでもじゅうぶんインパクトがあるのだが、さらに衝撃的なのがその調理法。「クイ・チャクタード(cuy chactado)」はクイを「開き」にして焼いたもの。同じく開きにしたクイを素揚げにしたのが「クイ・フリート(cuy frito)」。

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