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投資デビュー 「100万円ためてから」に理はない 投資の勘違いをマネーハック(2)

2017/9/11

 Aさんは相場の変動をこの8年間に経験することになるでしょう。仮に一時的な急落があって成績が25%のマイナスであったとしても、投資をスタートした当初なら、残高数万円から十数万円の上げ下げで済みます。長い目で見れば相場は上げ下げを繰り返します。短期的な上げ下げを実体験として学びながら、長期的に投資を考える習慣が身につくと思います。過去の実績では投資を10年続けた場合、9割の確率でプラスの成績になるという分析もあるそうです。

■100万円ためてからのスタートは危ない

 一方、Bさんはどうでしょう。投資の実経験を持たないまま100万円の資金を投じることになります。これは危険な投資スタートです。なぜなら、まとまった金額だけに、少しの相場変動でも元本は大きく増減するからです。なまじ苦労してためた100万円ですから、相場が5%下がり95万円に目減りすれば、落ち着きません。残高を見て「5カ月分の積み立てが消えた」と焦ってしまうわけです。

 マネーハック的にいえば、投資デビューは「100万円ためて」ではなく「できるだけ少額」で、が鉄則です。

 少額でスタートすれば気軽に始められます。お金がない、という言い訳も「月1000円」ならできません。投資デビューの心理的ハードルをひとつ下げられます。

 いろんな投資をするうえでも少額でできるのはチャンスです。たった1000円で「国内の株式に投資する投信」「先進国の株式に投資する投信」「新興国の株式に投資する投信」「不動産に投資する投信」といろいろ試すことができます。

■少額ならダメージが小さくて済む

 失敗したとしてもダメージが小さくて済むのは少額投資の最高のメリットです。1000円の投資元本が10%下がっても、スターバックスのコーヒーを買う代わりにコンビニのコーヒーを買えば損失分は補えます。初心者なのですから、損失のリスクは抑えておくことが基本です。

 ただし、注意したいのは証券会社や銀行による勧誘です。担当者は営業目標を達成しなければなりませんから、まとまった金額を投資してくれる人を探しています。長く話したら勧誘されると考え、「スタートは1万円程度でいきたいと思います」と早めに伝えるようにしましょう(ネット証券で買えばそもそも営業を受けずに済みます)。

 とにかく「まとまったお金をためてから投資デビュー」という固定観念を取り去りましょう。それができれば、簡単に投資デビューでき、かつメリットのある投資も可能になるというわけです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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