ハーレーや登山にも対応 秋の行楽に「特化型」保険スマホ・コンビニで契約も手軽に

リターンライダーが増える中、専用保険ができるほど人気が高まっているハーレーダビッドソン
リターンライダーが増える中、専用保険ができるほど人気が高まっているハーレーダビッドソン

大型バイクや自転車、軽登山……。特定のスポーツやレジャー向けの損害保険商品が最近増えている。スマートフォン(スマホ)で簡単に決済できるなど便利だが、注意すべき点はないか。秋の行楽シーズンを前に点検する。

◇  ◇  ◇

重厚かつ美麗な車体、細部にまで意匠を凝らしたアクセサリー、パーツの数々。米二輪車ブランドの帝王、ハーレーダビッドソンに2014年、オーナー専用の保険が登場した。対人・対物・搭乗者対応の「モーターサイクル保険」(引受先はアクサ損害保険)、車両本体やパーツ類を補償し、盗難時も対応する「車両+盗難保険」(同日本少額短期保険)の2種類だ。

封書にまで意匠、ファンくすぐる

二輪車の運転者は対人(死亡時3000万円まで補償)のみの自賠責保険(強制保険)にだけ加入する例が多かった。任意保険の加入率は2割程度とされる。ただし二輪車は事故に巻き込まれた場合のケガのリスクは低くない。保険の発売以来、モーターサイクル保険はハーレー運転者全体の4割、車両保険は同1割まで上昇。事故時のロードサービスだけでなく、封書や保険証券までハーレー仕様というこだわりが、ファンの心をくすぐった。

東京都豊島区に住む会社員Aさん(49)は、ハーレーのハンドルを握り5年が過ぎた。髪形や時計、服装、アクセサリーなどの外見だけでなく、生活様式もハーレーに合わせる。ハーレー仲間とロックバンドも結成、イベント会場やレストランでライブ演奏もする。保険には14年に加入しており、年間約4万3000円の保険料を支払っている。「今後もハンドルを握れる限り、仲間とハーレーに乗り続けたい」。Aさんのハーレー人生を保険が下支えしている格好だ。

高級バイクに限らず、スポーツやレジャーに対応した保険商品へのニーズは高まっている。登山もその一例だ。中高年や「山ガール」などの女性、訪日観光客などで登山現場はにぎわいをみせるが、遭難による痛ましい事故が後を絶たない。警察庁の調べによると、16年の遭難件数は約2500件と5年前に比べ36%増えた。

標高3000メートルの山の稜線を歩く(北アルプスの槍ケ岳)

山で遭難した場合、警察や自衛隊に救助を依頼する手もあるが、探索機の機数が十分でない。民間のヘリコプターを飛ばしたり、地元の山岳団体などに救助を求めたりすると、人件費、装備費、交通費、食料費など様々な費用が発生する。民間ヘリの費用は1分1万円(1時間当たり50万~60万円)、地元団体の救助費は1人1日当たり2万~3万円が相場だ。

1日からOK、手軽さで人気

日山協山岳共済会の団体保険「山岳遭難・捜索保険」(引受先は三井住友海上火災保険)はこうした救援者費用や登山中のケガなどに対応する。1年間の保険料は2400円(別に同協会の一般年会費1000円が必要)。今年4月から「ハイキングコース」の救援者費用を200万円多い500万円に手厚くした。「秋は日が落ちるのが早くなり、真っ暗な山道で遭難に陥りやすい。10月に入れば急な降雪もある。経済的負担の緩和のために保険加入を呼び掛けている」(尾形好雄会長)

加入期間は年単位に限らない。1カ月、1日単位から加入できるサービスも当たり前になってきている。

ゴルフ中のケガやホールインワン(1打目でカップにボールを入れる)、アルバトロス(パー=基準の打数より3打少なくホールを終える)の祝賀会費用の負担に備える「ゴルファー保険」。愛好家を中心に根強い人気だが、東京海上日動火災保険は6月から、コンビニエンスストア「ローソン」の店頭端末を使い、1カ月の保険に入れるようにした。電車など公共交通機関を使ってゴルフ場に行く場合、ゴルフバッグを事前に郵送しつつ、保険に入れる。

ゴルファー保険を取り扱うローソンの店頭端末

1日単位の保険では保険料の安さが売りの商品設計が目立つ。代表的なのが東京海上日動の「ちょいのり保険」。1日単位の自動車保険で、若年層の車離れなどに対応した。4月に運転者のほか最大3人まで同一料金で加えられる設定を導入。弁護士費用特約などを追加した「車両補償あり(プレミアム)」版(1日保険料1800円)も設け、商品の充実を図った。12年の発売以来、利用が増え今年8月末で350万件に達した。

注目記事
次のページ
カメラやゴルフ用品、個別補償