疲れを感じない働き方 やる気引き出す「魔法の言葉」早稲田大学研究戦略センターの枝川義邦教授に聞く

ドーパミンが分泌されると、意欲が高まる PIXTA

いずれにせよ自分自身が納得し、主体的な立場にならなければ、やる気は起こらない。確かに「あえて」という言葉をバネにしてモチベーションを上げるのは一つの方法かもしれない。

小休止も有効 5分間目を閉じる

しかし、ネット社会はストレスに満ちている。せっかくモチベーションを上げても、脳には様々なストレスが襲いかかってくる。職場には必ずパソコンがあり、スマートフォン(スマホ)を持ち歩く人も増えているため、家庭でも誰とでもつながってしまう。働き方改革で職場での残業時間が減ったとしても、深夜や早朝、休日でもメールが飛び交う。

「多様な情報が押し寄せ、このメールにはこう回答しようとか、後回しにしようとか、頭の中で整理して、常に意思決定をしないといけなくなっています。現代人は知らず知らずのうちにストレスがたまり、それにより疲労感が増しているのです」と枝川教授は話す。

どう対処すればいいのか。「小休止が有効です。職場で疲れを感じたら、本当は15分程度睡眠をとるのが効果的ですが、普通の職場では難しいでしょう。だったら、5分ほど目をつむるだけでもいいんです。頭の中が整理される。トイレの個室のように邪魔が入らないところで目をつむり、静かにするのが有効です」という。情報量の約8割は目から入ってくる。まぶたを閉じれば、パソコンやスマホからの情報も遮断される。心身を安定させ、うまく休息すれば、心の安らぎを促す神経伝達物質「セロトニン」の働きにより、ホッとした気分になり、疲労感も緩和される。逆にセロトニンが不足すると、うつ病や不眠症などの精神疾患に陥りやすくなるといわれる。

枝川教授は「そもそも疲労を感じるとか、首や肩がこるというのは、目の疲れ、つまり眼精疲労が原因のことが多いのです。このような場合、休息をとるのがいいです。最悪なのは、会社の休憩室や喫煙スペースでスマホのゲームなどに興じる人。気分転換にはなりますが、脳や目を使い続けるので、結果的に疲労感は増してしまうでしょう」という。

信頼関係の築き方

もう一つ、ストレスと疲労感を増す原因となるのが人間関係だ。

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