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脳科学で鍛える仕事力

疲れを感じない働き方 やる気引き出す「魔法の言葉」 早稲田大学研究戦略センターの枝川義邦教授に聞く

2017/9/12

職場での疲労感に悩む人は少なくない PIXTA

 今夏は天候不順にも見舞われ、通常のシーズン以上に疲れを感じるビジネスパーソンも少なくないだろう。夏休みが終わると、モチベーションが下がり、集中力を欠いてうっかりミスも起こしやすくなる。疲れを感じず、やる気を引き出す方法はないのか。「経営と脳科学」を研究テーマとする早稲田大学研究戦略センターの枝川義邦教授に聞いた。

■やっかいなのは「疲労感」

 「夏バテの時期で、疲れている人が多いです。その上、脳が『夏は楽しい季節』と認識している場合が少なくないので、夏休みが終わると寂しくなったり、仕事に対するやる気をなくしたり、『疲労感』が増したりすることがあるんです。悪くするとうつ状態に陥る人もいます」と枝川教授は指摘する。この夏は暑かったり、長雨だったりし、睡眠不足で疲労がとれないと嘆く人もいる。

 ただ、枝川教授は通常の疲労と疲労感は別物だという。生理学的な疲労なら「例えば十分な睡眠をとり、バランスのいい食事をして、軽い運動をすれば、基本的には1日で疲労は回復します。しかし、やっかいなのは『疲労感』です。これは脳がストレスを受けて、まさに『感じる』もの。ここから脱して、仕事の意欲を高めるやり方は別なのです」という。

 ビジネスパーソンの場合、多くの人はお盆の時期に1週間程度の夏休みをとり、再び出社。秋に向け、改めて仕事の目標を考え、実行していく。「積極的に目標を設定して仕事をこなしていく能動的な人なら問題ないのですが、この仕事は気が進まないとか、上司にコントロールされているとか、やらされている感のある人はなかなか意欲が湧かないケースがあります」(枝川教授)。これは脳から、やる気を起こす神経伝達物質「ドーパミン」があまり分泌されていない状況だ。ではモチベーションを上げるにはどうすればいいのか。

■魔法の言葉は「あえて」

 枝川教授は「やる気を出すマジック(魔法)ワードがあります。『あえて』という言葉を使うといいんです。気は進まない仕事だが、自分の成長につながるから、『あえて』やろうと。その瞬間、受け身ではなく、自分が主体となって仕事を進めているという認識に変わるわけです」。やる気を起こす動機づけには3つのパターンがあるという。1つ目は内発的な動機づけ、「自分がやりたいからやる」という場合だ。2つ目は外発的な動機づけ、報酬や昇進などにつながるからがんばるというもの。3つ目が社会的な動機づけ、ミッション(使命)やコミットメント(約束)などで、仕事に対する責任があるという意識の持ち方だ。

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