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イタリアのマエストロ、ルイージがかけ抜けた日本の夏 松本の音楽祭に4年連続出演、読響とは初共演

2017/9/11

(C)山田毅(提供=セイジ・オザワ松本フェスティバル)

 イタリアの世界的指揮者ファビオ・ルイージ(1959年ジェノヴァ生まれ)が今年8月下旬、1週間あまりの間に松本、東京、横浜で2つのオーケストラ、計4公演を振り、圧倒的な印象を残した。

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 松本市では第26回セイジ・オザワ松本フェスティバルに招かれ、サイトウ・キネン・オーケストラとマーラーの「交響曲第9番」を8月18日と20日の2回、キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)で演奏した。ルイージの起用は2014年以来4年連続。総監督の小澤征爾を除けば、最も登場頻度の高い指揮者だ。マーラーの交響曲も過去に「第2番『復活』」「第5番」を手がけており、フェスティバルの売り物の一つになりつつある。

■セイジ・オザワ松本フェスティバルでマーラー指揮者の存在感

 小澤も米ボストン交響楽団の音楽監督を務めた時期(1973~2002年)に交響曲全集のCDを完成するなど、マーラーを得意としていた。「第9番」はサイトウ・キネン・オーケストラとも2000年12月~01年1月に松本、東京で演奏したが、冬の特別公演だった。夏の本フェスティバル期間中に同オーケストラが「第9番」に挑むのは、ルイージとが初めてに当たる。

サイトウ・キネン・オーケストラとはマーラーの「交響曲第9番」を演奏(C)大窪道治(提供=セイジ・オザワ松本フェスティバル)

 過去に指揮した2曲が「超」のつく名演だったので期待したが、もともと形をつけにくい第1楽章がばらけているのにまず、驚く。いかに世界の名手を集めても、普段から一緒の楽団で弾いていないと、自然な一体感はなかなか生まれない。ルイージ自身、「第1ヴァイオリンのメンバーの多くが『この曲を弾くのは初めて』といい、それなりの苦労があった」と、リハーサルの舞台裏を明かす。だが管楽器のソロが活躍する第2、第3楽章の名人芸の連発がオーケストラ全体を引き締め、弦の分厚い合奏が長く同じ旋律を繰り返す第4楽章は非の打ちどころのない名演奏に結晶。客席も沸いた。

 ルイージは今年4月、NHK交響楽団(N響)の定期演奏会で「第1番」を指揮。95年の初来日以来、N響や札幌市の国際教育音楽祭パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)のオーケストラ、サイトウ・キネンだけでなく、音楽総監督を務めていた時代のシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン州立歌劇場管弦楽団)との日本ツアーでもマーラーを取り上げてきた。ここ数年はめがねをかけた横顔までが、指揮者でもあったマーラーに似てきている。

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