もちろん授業はアクティブ・ラーニング(能動的な学習)が主体。基礎的な知識をベースに論じ合い、最終的に自分の独自の考えを発言したり、文章にまとめたりする必要がある。「あくまで自分なりのオリジナリティーが重視されますが、ベースとなる知識量も相当なものです」(高橋副校長)という。

生徒62人に教員20人

国際高校のLANが完備された教室

IB用の理数系の教科書をちらっとめくってみたが、もちろん英語で、かなり複雑な数式なども書かれている。教科書自体がずしりと重い。誰がどのように教えているのか。国際高は、英語に卓越し、IBの授業が可能な6人の専任教員を集め、年3回前後の海外研修に出している。ほかに外国人11人を含む講師14人という20人の教員体制をつくった。第2校舎には専用の職員室まである。一方のIBコースの生徒数は高1から高3まで62人しかおらず、「授業は最大でも教師1人に生徒10人、時には1対1の場合もあります」(高橋副校長)と手厚い。

LAN(構内情報通信網)をフル装備する教室もあり、全生徒が端末を持つ上、2人に1人の割合で大型のディスプレーも用意している。「教科書はありますが、ノートはとらなくても、授業で示される内容はすべてネット上というか、クラウド上に置かれ、自宅での予習にも復習にも不便はありません。その分、授業でのディスカッションに時間が割けます」(荻野校長)という。

実験室にはシャワーも完備

理科の実験室にはIB機構側からの要請で高価な実験装置を導入。仮に薬品などがふりかかった場合、すぐに全身を洗えるようシャワーまで備えている。

学費、インターナショナル校より格安

IB認定校には人材や設備などに相当なコストがかかる。このためIB認定のインターナショナル校には初年度納入金が200万円前後になるところもある。しかし、国際高は、「年間の授業料はほかの都立高と同じ11万円台。まあ、教科書代とかは別途かかりますが、あくまで公立ですから」(荻野校長)という。海外のトップ大学を受験するのはコスト面からも厳しかったが、一般の家庭にもチャンスが出てきたわけだ。

このIBプログラムの満点は45点。通常の授業でのプレゼンテーションのビデオや発言の音声データのほか、各人の活動をまとめた書類、10月30日からスタートする最終試験の結果を総合評価して点数を付ける。評価はIB機構で厳正に行われる。「IBの入学資格を得るには24点以上とればいいのですが、オックスフォード大やハーバード大など世界のトップ大学に入るには40点以上、42点ぐらいはほしいところです。最後の筆記試験以外のデータはすでにIB機構に送っていますが、手ごたえはあります」(荻野校長)という。

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東大は世界では46位
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