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ライフネット生命の篠原広高氏

ライフネット生命の篠原広高氏

日本生命保険出身の出口治明元会長と若手カリスマ経営者の代表格、岩瀬大輔社長が2008年に開業したライフネット生命保険。「ネット生保」という新たなスタイルは当時、大きな話題になった。2011年から新卒採用を始めた同社は、応募する学生に「重い課題」と呼ぶ論文やプレゼンテーションを提出させる独自の選考を貫いている。学生側の売り手市場が続き、「とにかく早く」と動く企業が多いなか、書類選考の締め切りを遅く設定、秋採用も実施する予定。ユニークな採用活動の背景を採用担当者の篠原広高氏に聞いた。

採用開始当初から続ける「重い課題」

――2018年卒の採用予定数と採用の流れは。

「採用予定数は毎年2、3人です。今年は、まず『重い課題』という独自の課題を6月15日までに提出してもらい、グループディスカッション、部長や人事担当者との個別面接を経て、最終の役員面接となります」

――3月に広報解禁、6月に選考開始という経団連のスケジュールより、ずいぶん遅いですね。

「当社としては、これでも去年より1カ月から1カ月半早くしました。学生が就職活動に臨む時期からずれているので、やめてしまった学生には会えませんが、それはしかたないと思っています。結果として応募数は去年より少し多く、順調です」

――「重い課題」とはどういうものですか。

「数字・論理的思考で見る課題A(17年は訪日外国人旅行者を6000万人に増やす目標が達成されたときに起こる問題と解決策)と、当社が求める人物像でもある『応援される人かどうか』などを表現してもらう課題Bのどちらかを選んでもらいます。体裁は自由ですが、Aは論文形式の人が多いですね。Bはバリエーションに富んでいます。パワーポイントでもいいし、動画でもなんでもいいです。課題Bでは、文章や表現のうまさではなく、自分と正直に向き合っているか、自分が周囲に応援される理由をつかんでいるか、自分の弱さをきちんと開示しているか、といった点を見ています」

「『重い課題』を始めた目的は2つあります。まだまだ社員も少ないベンチャー企業なので、新卒採用に多くの時間や手間、お金をかけられません。一方、人と会い、採用するというのは簡単にできることではありません。そこで考えたのが、重い課題でした。受ける人の数は減りますが、本気の人だけが受けてくれるのです」

「採用ゼロ」でも構わない

――応募状況はどうですか。

「当社はもともと数を追う採用をしていません。毎年、重い課題の応募数を見ながら、採用活動を前半と後半に分けていますが、今年は前半で33人の応募がありました。後半は10月からの予定です。去年の応募は全部で38人だったので、今年のほうがやや応募状況はいいです」

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