マネー研究所

ヴェリーが答えます

最低賃金、年1回の審議会で議論 政権の意向も反映

2017/9/12

 

「日本の最低賃金はどのような計算で決まるのでしょうか? また欧米でも同じような制度はあるのでしょうか?」(東京都、50代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

 最低賃金とは、企業が従業員に支払わなければならない最低限の時給を指します。年1回、国の審議会で労働組合や経営側の代表者らが、経済に関する統計データを参考に議論し、引き上げの目安額を決めます。今年は2年連続で過去最大の25円の引き上げが決まりました。10月ごろに最低賃金の全国平均は823円から848円に上がります。

 最低賃金は都道府県ごとに異なります。物価や所得水準などが地域によって違うためです。最も高い東京都では932円から958円に、最も低い宮崎県と沖縄県は714円から737円にそれぞれ上がります。今年の改定で15都道府県の最低賃金が800円以上となります。

 引き上げ幅は近年、拡大しています。非正規労働者の処遇を改善するため、安倍政権が「年3%程度の引き上げ」を方針として掲げているためです。今年の上昇率はちょうど3%となり、政権の意向に沿う形となりました。今後も同じペースで上がると、2023年度に全国平均が1000円を超える計算になります。

 働く人にとって賃上げはありがたいことですが、経営体力が弱い中小・零細企業にとっては打撃になります。16年に最低賃金を平均25円引き上げた結果、従業員30人未満(製造業は100人未満)の事業所では、労働者の約1割で賃金を引き上げる必要が出ています。専門家からは「継続的な引き上げは、企業の生産性向上の支援策とセットで考えることが必要」との意見が出ています。

 最低賃金は欧米でも広く導入され、英国やフランスなどではすでに時給1000円を超えています。

[日経ヴェリタス2017年9月3日付]

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