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「民泊フロント」意外に便利 荷物預かりや店の案内も 広がる代行サービス、主要業務は鍵受け渡しと本人確認

2017/10/13 日経MJ

 民泊サイトを利用する上で悩みの1つが鍵の受け渡し。時間と場所を決めて直接渡すことが多いが、相手が時間通りに来ないなど不便だという話をよく耳にする。特区で民泊が先行解禁された大阪で広がっているのが、フロント業務の代行サービスだ。記者が体験してみた。

フロントの中国人女性に民泊施設までの道順を案内してもらった

 米エアビーアンドビーの「エアビー」で大阪・ミナミにある民泊を予約した。管理人と連絡を取り合っていると、「鍵はここで受け取ってください」とメールが来た。添付ファイルを開くと場所が書いてあり、ここで鍵を受け渡してもらえるとのこと。

 南海難波駅前のビルの8階にある「信の旅 荷物預かり」。入ると、中国人や韓国人客でにぎわっていた。運営するのは主に関西で飲食や旅行業を営む大地(滋賀県野洲市)。民泊ではどんな人がいつ、どこに宿泊しているか分からず、不法入国者がいるかもしれないという不安がある。また鍵の受け渡しが不便だという声がよく上がる。この2つの課題を併せて解決できると考えたそうだ。

 フロントではほぼ全員中国人か韓国人が対応する。免許証を提示し、渡された紙に住所などを記入した。訪日客はパスポート番号も書いていた。

 紙を渡すと、スタッフが「観光地やおいしいレストランは知っていますか?」と尋ねる。大阪に住んでいるから土地勘はあるが、旅行者からはお薦めの場所を聞かれることも多いのだろう。試しに「おいしいお肉が食べられるレストランはありますか」と聞くと、ミナミの焼肉屋を紹介された。後で訪れてみたら値段も安く大満足だった。「日本語がしっかりと話せるくらい滞在歴がある人を採用」(大門拓童取締役)しており、地元に精通しているようだ。

 民泊に行くまで荷物を一定額で預かってくれるほか、レストランやチケットの代理手配などもしてくれる。メニューには「マリカー体験ツアー」もあった。見ていた韓国人たちも興味津々で内容を眺めていた。

 鍵と一緒に受け取った写真付きのマップに従って歩くと、しっかりと予約した民泊にたどり着くことができた。アルバイトもフロントに立っているためホテル並みとまではいかないが、総じてスムーズな対応だった。

◇  ◇  ◇

■営業時間、長くしてほしい

 民泊のネックは鍵の受け渡しだ。物件の管理者とゲストがサイト上でやりとりしながら、受け渡しの日時を決めるのは時間も手間もとられる。ゲストが迷子になるなどして予定通りの時間に来なかったり、鍵をポストに入れておいてもポストの開け方がわからなかったりする恐れもある。

 物件の管理者がフロント代行サービスを導入するには月1万円かかるが、こうした手間を省けるうえ、簡単なトラブルなら対処してくれるので便利だ。記者が訪れた際も、部屋に鍵を忘れてきた中国人ゲストと管理者の間に立って解決策を話している姿が見られた。

 気になるのは営業時間。現在は午前9時~午後11時の間だが、なんらかの理由で深夜に利用したい人も多いはず。フロント業務を請け負うのであれば、24時間体制での運営が理想だろう。

(出口広元)

[日経MJ2017年9月4日付を再構成]

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