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相続まで課税先送り 非課税枠2500万円、長期で判断

2017/9/9

PIXTA

 まとまった財産を贈与して子どもの家計を援助したいが、受け取る側に贈与税を払う余裕がない場合、選択肢の一つになるのが、相続時まで課税を先送りできる「相続時精算課税」だ。ただ、制度には注意点もある。利用時は将来の相続も見据え、長い目で善しあしを判断したい。

 「とりあえず、税金を払わずに贈与が受けられホッとした」。都内に住む専業主婦のAさん(53)は昨年、相続時精算課税を利用した。

 Aさん夫婦が約20年前に自宅を購入した際、父親が資金援助をしてくれたため、父親を共有名義にした。しかし将来、相続でもめる恐れがあったのでAさんは生前贈与を検討したが、贈与税が数百万円かかる計算に。Aさんの家計に負担する余裕はなかった。

 税理士に相談したところ、提案されたのが相続時精算課税だ。父親の持ち分約1500万円を贈与税を払うことなくもらうことができた。

 贈与税は個人(贈与者)からもらった財産にかかる税金で、もらった人(受贈者)が支払う。課税方法には暦年課税と相続時精算課税の2つがある(表A)。

 暦年課税は1月1日~12月31日の1年間にもらった金額から、基礎控除を差し引いた部分に税金がかかる。年間110万円の基礎控除の範囲内なら贈与税がかからないため、長期間こつこつ贈与して将来の相続財産を減らす節税目的で使われることも多い。

■「節税にはつながらない」

 一方の相続時精算課税は、累計贈与額が特別控除(2500万円)の範囲内なら何回贈与しても贈与税はかからない。ただし、贈与を受けた財産は将来、相続財産に足し戻されるため、「節税につながる制度ではない」とランドマーク税理士法人の清田幸弘代表税理士は指摘する。

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