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北は「なんばん」南は「こしょう」 唐辛子の呼び方

辛いもん(6)

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NIKKEI STYLE

さて、辛いモンも回を重ねて6回目。最終回である。

べろの用意はいいですか? 行きますよー。

ご意見 イギリス駐在中にインド料理に洗脳されました。インド料理で辛い代表としてメニューにのっているのはヴィンダルー(vindaloo)で、これでも辛さ以外の味はわからず、大量の汗が噴出し完食できるころにはお腹がグルグルいいだし、翌日は別の場所でヒリヒリ感を味わえるという優れもの(失礼)です。
 一度イギリス人の同僚に連れられメニューにないけどこれ食べてみろ、と言われて出されたカレーが殺人的でした。その名をファー(スペルわかりません)といい、ルーはただただまっ赤っかのペースト、辛いものがわりと得意なわたくしでも全身汗だくになりながら3分の1ほど残してギブアップせざるをえませんでした(翌日の惨状は推して知るべしです)。それ以来、日本からいたいけな出張者が来るたびに食べさせ、翌日廃人状態に追い込んで屈折した喜びを感じていました。
 UKのどのインド料理レストランでもメニューには載っていませんが、「ファーくれ」といえば、間違いなく薄笑いを浮かべながら注文に応じてくれますのでぜひ一度お試しを。たぶん国内のインド人経営のお店でもOKでは?(自分では二度と試さない根性なしさん)

辛いモンは2度痛い。どっちの痛さもいやなのよ。

デスク想像しながら 2度目の方が、より快感だったりして…。

ご意見 国によって「辛い」の基準が違うというコメントがありましたが、スリランカに駐在していたころ、インド人の同僚が「スリランカ料理はスパイシー過ぎて苦手」と言ってました。辛いではなくスパイシーだそうです。
 それでスリランカ人の同僚を入れて協議した結果、「いちばん辛いのはタイ料理」だそう(これは「辛い」そうです)。最初は彼らのコメントに???でしたが、住んでいるうちに何となく日本人の言う「辛い」がいろんなパターンであることに気がつきました。
 以前勤めていた会社(食品会社)で味覚テストなるものが行われておりました。味覚の鋭い人は製品開発時点での味の評価をするパネルメンバーになるのです。その説明の中で「インド人は7つの違う辛さを味わい分ける」と言うコメントがありました。
 その代わり「うまみ」とか「えぐみ」はインド人には味わい分けることができないそうです。「辛み」は奥が深い(きんさん)

アジア辛味サミット。世界最強の辛味国はタイか?

私は「7色の辛味」を味わい分けられる数少ない日本人かもしれない。死ぬほど辛い、気が遠くなるほど辛い、腹が立つほど辛い、デスクに押し付けたくなるほど辛い、前の人の首を絞めたくなるほど辛い、金を払わずに帰りたくなるほど辛い、「お母さーん」と叫びたくなるほど辛い、ウーロンハイをバケツで飲みたくなるほど辛いというものである。

あれ? 8色ある? どうして?

デスク腕組み うーん、僕はきっと全部いっしょの辛さなんじゃないかと思う。

ベティー隊員 「店に向かって『ばかばかばか』と言いたくなるほど辛い」というのも加えたらどうですか?

ご意見 中国で食べた激辛の鶏の唐揚について報告します。食べた場所は湖北省の武漢です。湖北省の料理はそう辛いものではありませんが、一部のレストランには隣の四川省の料理もあるのです。
 辛い唐揚といっても、辛いたれがかかっているわけではありません。ラー油で揚げているのです。粉にしていない、元の姿のままの赤唐辛子を大量に揚げ、それを取り出した後で鶏を揚げるのだそうです。
 皿にはまず揚げた唐辛子を敷き、その上に鶏を盛り付けてありました。鶏は骨に少しだけ身がついているという感じで、とても食べにくかったです。少しずつむしってゆっくり食べなければなりませんが、それでも舌がびりびりしびれました。そこで白雲辺という白酒をぐいっとやるともう最高!です。
 四川の料理の辛さは中国人の間でも冗談の種になるようです。武漢で買った漫画には、砂漠で遭難しておなかをすかせた人がようやく食べ物を見つけたら四川の辛い火鍋で、これでは食べられないといって嘆く話がありました(宝塚の山根さん)

大量の唐辛子を揚げた油で唐揚げ? それはもう凶器だ。大量破壊兵器だ。

ご意見 あのハラペーニョってのは先っちょ(ヘタのついてない方)だけは辛くないんですよね。何年か前にメキシコに行ったときに現地の友人に引っかけられて身をもって体験しました。
 山盛りの生ハラペーニョを前にして友人が「俺は辛くないハラペーニョが見分けられる。この中ではこれだ!」と言って、あるハラペーニョの先端をかじります。平気な顔して「ほらね、大丈夫。食べてごらんよ」と残りを差し出します。安心したこちらが、残りをガブリと食べると……いやーすごい体験をしました。
 落ち着いてから試すと、確かに先端は辛くないです。日本に帰ってから他の唐辛子で試しても確かに先端は辛くないようですが、ハラペーニョほど大きくないのでよくわかりません。
 輸入食材を扱っているところではハラペーニョのピクルスや水漬けがあったりするので是非とも肝試しと思って試してみて下さい(サカイさん)

試すと思うな思えば負けよ。それにしてもメキシコ人てなんてお茶目なんでしょ。くー。

ご意見 野瀬さん、大変です! 広島の激辛つけ麺は第2回で報告されていますが、東京近郊にも新種の激辛つけ麺が出現し徐々に勢力を伸ばしているようです。
 最近、つけ麺の人気店といわれる店に増えているのが辛いトッピングです。肉味噌や干しエビなど原材料は店によって異なりますが、工夫を凝らした新種の「赤い殺意」をつけ汁に投入して悶絶する人が増えているようです。中には刺激を求め、平日の開店前から行列する人まで出始めているとのウワサです。
 愛好家によると、つけ汁に溶かすのが一番効く、いや麺にまぶして直接の激震を甘受すべきだと、さまざまな声が噴出、意見はまとまる気配を見せておりません。
 中には「辛獅子」などというダジャレパワーの側面からも野瀬さんをKOしようと狙っている者もあります。これもすべては辛味帝国軍参謀・デスクの暗闇のフォースと赤い野望が引き起こした日本の危機かもしれません!?(ぎずもさん)

それは間違いなく日本の危機である。日本が唐辛子の海に沈もうとしている。日本人が翌日のトイレでどのような状態になるかを考えない民族に変質しようとしている。痛くなるぞー。知らないぞー。

ご意見 私は豚丼を食べるときは取り敢えず真っ赤になるまで唐辛子をふりかけるぐらいの辛党なんですが、そんな私でも用心する食べ物が地元の茨城県牛久にはあります。
 「牛久百香亭」のランチメニュー、麻婆豆腐丼がソレ。見た目は普通の麻婆豆腐がご飯にのった丼物で、これが結構な辛口。もちろん辛いモノ好きな私は喜んで食べてます…が、この麻婆豆腐丼にはトラップが。赤い麻婆に隠れて激辛唐辛子。
 ひとつでも口に入ってしまえば涙なくしては完食できません。こんなのが1人前あたり5~6本仕込んであるんです。我が家ではコレを「赤い地雷」と呼び、食べるときは地雷撤去を行ってからいただくのが作法となっています(こばりんさん)

赤い地雷! あの世のダイアナ妃が泣いているぞ。

ご意見越後で辛いもんといえば「かんずり」でしょう!
 かんずりとは上越地区は妙高市の名産品で、雪にさらした唐辛子を米麹や柚子などとともに長年漬け込んだもので、夏はそうめんに、冬は鍋物にと大活躍の調味料です。
 なんでも上杉謙信の戦場食とも言われ(当時から唐辛子が越後の地にもたらされていたかを考えれば、無理?)、パッケージにある謙信の旗印「毘」の1字が伝統を感じさせてくれます。
 ちなみにわたくしは、これをちびちび舐めながら地酒を飲むのがお気に入りです。九州の方ならば柚子胡椒をイメージしていただければと思います。
 実家の山形でも「なんばん」=「青唐辛子」でしたが、さらに七味唐辛子も「なんばん」と呼んでいたように思います。唐辛子といえば、仙台のたん焼定食の名付合わせ、唐辛子の漬物が懐かしいですね(あがきた@新潟さん)

やっと「かんずり」が登場した。真っ赤なんだよね、あれ。ほんでもって辛いんだよね。

このメールには今回のVOTE直結の内容が含まれている。皆さんの地域ではどうですか?

ご意見 先日、広島へ帰った際に忘れてはならない鞆の浦「阿藻珍味」の「ピリ辛あなごぼう」をゲットしてきました。特段激辛という訳ではありません。名前の通りピリ辛です。
 ゴボウのシャキシャキした食感を包むあなごの薩摩揚げ+ピリ辛味付け。ビールに合う合う。「うま~」の一語です(大阪の原さん)

というわけで適度な辛さの食べ物で着地した。

さて、VOTEである。赤、緑を問わず唐辛子を「なんばん」と呼ぶ地域はどこか。九州の「柚子こしょう」のように唐辛子を「こしょう」と呼ぶ地域はどこか。おおむね見当はついているが、常識も改めて確認する必要がある。意外な展開があるかも。

「なんばん」と呼ぶという回答が50%を超えたところを多い順に書くと青森、北海道、山形、岩手、秋田、宮城、新潟、福井、石川であった。北海道、東北、北陸に顕著な傾向であることが鮮やかに出た。お見事!

対して「こしょう」と呼ぶという回答が半数を超えたのは福岡、佐賀、熊本、長崎であった。ほぼ九州弁なのである。でも長崎に続いて鳥取が46%という高率をもって割り込んでいる。どうしてだろう。

ともかく唐辛子は寒いところで「なんばん」と呼ばれ、暑いところで「こしょう」と呼称されているのである。

本山荻舟著『飲食事典』は「戦国時代に渡来したポルトガル船、その後のスペイン船を南蛮船と呼び、舶載した貨物にもナンバンの名を附した。それが食物調理にも移って転々する間に異同混交して呼称を異にし、例えば同じナンバンでも唐辛子を指す地方もあれば葱をよぶ地方もある。大草流の料理書に『南蛮焼』とあるのは鯛、雁、白鳥を油で揚げるもので、唐辛子や葱を使っていないのにナンバンと呼ぶのは油で揚げるというのが洋風という意味であろう」(要約)としている。

唐辛子について同書は「朝鮮胡椒」「南蛮胡椒」という古い呼び方があったことに触れている。加藤清正が持ち帰ったという話に代表される朝鮮半島由来説が正しければ、秀吉の軍勢が出撃の拠点とした名護屋城は現在の佐賀県唐津市にあった。撤退した軍勢もここから帰国している。ならば日本に入ってきた時点では「朝鮮胡椒」だったのだろうか。そう考えると九州の「こしょう」呼称については納得できる。

さらに「なんばん」についても「南蛮胡椒」からきたと考えればいいのかも。

さて次回のテーマは「枝豆そら豆お豆さん」である。ビールに枝豆が日本の夏の風物詩になっているが、私はどちらかというとウーロンハイにそら豆である。その際、悩む。そら豆の皮は食べるもの? 食べないもの? 私は食べるけれど、味噌汁のシジミの身を食べるかどうかといった地域差があるものなのか。

デスク断言 そら豆は皮がおいしいし、味噌汁のシジミの身もおいしい。何で食べないの?

卵とじカツ丼の上に散らした数粒のグリーンピースの美しさよ。チキンライスにも緑の宝石が欠かせない。

日本で一番硬い豆はなんですか?

このような豆にまつわるエトセトラを考えていきたい。 

(特任編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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