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相場の転機に備える 円高リスク、為替ヘッジ活用 調整局面、長期の投資家には攻めのタイミング

2017/9/10

PIXTA

 米国株式の長期上昇相場は8年を経過した。株高を支えた量的金融緩和策の転換を控え、国内外の金融資本市場の一部では先行き警戒感も出始めている。いつかはやって来る相場の転機に備え、個人の資産運用も少しずつ守りを固めたい。

 「すでに一部の資産では調整が始まっている」。ピクテ投信投資顧問の萩野琢英社長はそう指摘する。

 米連邦準備理事会(FRB)は今月にも資産の縮小を決める見通し。米金融政策はリーマン危機後の量的緩和から正常化に向かう。足元で米国上場のMLP(共同投資事業)や不動産投資信託(REIT)の相場がもたついているのは、金融機関の貸し出し態度が先々厳しくなる可能性をにらんでのことという。

 萩野氏は米国株相場については「まだ7、8合目」と強気。だが、各種の資産は上昇相場が長く続き(図A)、割高感を指摘する声が増えている。米景気の拡大は終盤との見方があるし、過去には米国の利上げ局面が終わると、株価は世界的に調整することが多かった。萩野氏も「今後2、3年を考えると株価下落リスクは大きい」という。

■バランス型に配分

 もっとも、多くの資産運用のプロは「だからと言って運用をやめるべきではない」(後藤順一郎アライアンス・バーンスタインAB未来総研所長)と主張する。物価上昇や今後の消費税率引き上げを想定すると、現金を保有し資産の実質的な目減りを放置するのは得策ではない。投信などは一度売ってしまうと買い直す時機を見計らうのも難しい。

 では、いずれ来るかもしれない相場の転機にどう備えればよいのか。積み立て投資などにより運用リスクを十分に分散できていないのであれば、価格下落に対するポートフォリオの耐性を強めるしかない。

 具体策として、まず考えられるのは円高による資産の目減りを避ける為替ヘッジの活用だ。今は金融緩和を続ける日本と引き締めに転じた米国との金融政策の違いが円安要因といわれるが、「米国のインフレ率はさほど上がらず政策金利の天井は低い」(JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳氏)。地政学リスクも発生するたび、円高圧力になる。

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