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五輪のサイバー攻撃、守りは任せて 技術者の増員急ぐ ラック、24時間体制の監視センターを2倍に拡張

2017/9/23 日経産業新聞

ラックのセキュリティ監視センターは約200人が監視にあたる(東京都千代田、同社提供)

 2020年の東京五輪・パラリンピックまでにサイバー攻撃への企業の防衛意識は一段と高まることは確実だ。セキュリティー技術に強みを持つラックはこうした国内企業のニーズを取り込むための体制を急ピッチで整えている。

 五輪開催中に交通機関がストップ、工場で生産が止まり、物流網も停滞――。深刻なサイバー攻撃でシステムが破壊されれば、こんな事態が発生するリスクもゼロとは言い切れない。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の普及もあり、これまで以上に企業がセキュリティー対策に神経をとがらせている。

 ラックの西本逸郎社長は「12年のロンドン五輪後、IoTなどの技術開発が進んでいる。東京五輪はさらに(情報ネットワークが)発展した環境で迎えることになる」と指摘し、技術者の陣容拡大などに動く。具体的にはサイバーセキュリティー対策の人員を今期中に約140人増やし、640人体制とする計画だ。人件費は膨らむが、先行投資として決断した。

 国会議事堂にほど近い東京・平河町にあるラックのセキュリティ監視センター「JSOC」では、約200人の社員が契約企業のネットワークに対するサイバー攻撃に目を光らせる。監視している企業は約900社。24時間体制で運営している。ずらっと並んだ画面にはNHKや英BBCなど複数のテレビ番組も映し出され、突然のテロや天変地異などに備える。このセンターも7月下旬に体制を刷新し、改装して延べ床面積を従来の約2倍に拡張したばかりだ。

 サイバーセキュリティー関連事業では、企業のネットワークの監視のほか、対策ソフトの販売やコンサルティング、専門家の派遣など幅広く手掛ける。同事業の今期のセグメント売上高は前期比27%増の150億円、営業利益は3%増の26億6000万円となる見込み。西本社長は同事業について「20年ごろまでは伸びる」としている。

 東京で開催される五輪・パラリンピックは世界が注目するイベントだけに、サイバー攻撃の格好の対象となる恐れがあり、業界ではラックのように技術者の増員など顧客対応を強化する動きが相次ぎそうだ。

(佐藤史佳)

[日経産業新聞2017年9月1日付]

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