新校舎になった栄光学園(鎌倉市)

その頃、審査部の仕事はほとんどが社内だった。私は、同僚の話している言葉がわからないんです。外回りの営業ならば、相手も東京からきていることが多いので、まだわかったんでしょうけど。

だから、よけいに鍛えられました。私の海外勤務は英国での7年間しかないけれど、大阪の5年を入れたら12年だ、とよく言っているんです。こんなことを言ったら怒られるかもしれないけど、関西弁も外国語だと思えばね(笑)。

入社して以来、結婚するまでいろんな人に「飯島くんは、本当に堅物だ。たたくと金庫の音がしそうだ」とよくいわれましたね。要は面白くない、ということです。そのあたりはやはりカトリックの倫理観に触れてきた影響が大きい。三井物産のおかげでだいぶ人間が柔らかくなったんですよ。いろんなものの考え方を勉強させてもらった。

私が商社マンとして大切にしてきた「現場主義」も、栄光で教わったものが基本にあります。栄光には「Men for Others(メン・フォー・アザーズ)」という教育理念があります。他人のために一生懸命やりましょう、尽くしましょうという考え方です。そうするためには、直接人と接していかなければならない。それが「現場」です。

私の座右の銘である「礼儀正しく紳士たれ」という言葉も、中学に入ったときにその神父様に教わりました。もう亡くなりましたが、栄光で教えたあと、兄弟校の広島学院に行かれ、その後カトマンズで奉仕活動をされていた大木章次郎先生です。大木先生の行動は、まさに現場主義を体現しているといっていいと思います。

主に金属・資源畑を歩み、2009年に社長に就任した。就任1年目に三井物産が7割出資する子会社が採掘権を持つ石油掘削施設で爆発事故が起きた。大量の原油がメキシコ湾に流出し、甚大な被害が発生した。三井物産も危機に見舞われた。

社会人になってから一番しんどかったのは、この事故対応でした。