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20%軽く3.6倍強い モンベル新バッグ素材のすごさ

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日経トレンディネット

メーカーが自社で素材開発できるのは大きな強みだ。自分たちが考える理想の製品を消費者が買いやすい価格で実現できる可能性が高まるからだ。

モンベルは自社で素材を開発し、手ごろで高機能なアウトドアグッズを展開してきたブランドの一つ。今シーズンもまた、ユーザーをワクワクさせる新素材を投入し、注目を浴びている。その名は「バリスティックウルトラ」だ。

「軽くて強い」という相反する機能を両立させたこの新素材について、特徴から開発した背景まで、モンベルに話を聞いた。

従来のナイロンより強度は3倍以上でも2割軽い

そもそもバリスティックウルトラとは何か。簡単に紹介すると、一般的なナイロンに比べて約3.6倍の引き裂き強度を持つという超強力素材だ。一般的に生地を頑丈にしようとするとどうしても重たくなってしまう。しかしバリスティックウルトラは、中空構造の高強力糸を織り交ぜることによって、強度を維持しながら、同社の従来のナイロンより約20%も軽量化できたという。まさに耐久性と軽量性を必要とする製品に最適な素材といえる。

底部の生地をもっと薄く、軽くしたい

モンベル企画部担当者はこの素材を開発した理由をこう語る。「今までのバックパックは、こすれやすい底部は分厚い生地を使い、ほかの部分は軽い生地を採用するという、強度の異なる素材を組み合わせることで製品の強度を担保していました。しかしバックパックはずっと背負うものだから、できるだけ軽いほうがいい。そこで底部の生地ももっと薄くできたらいいよね、と。さらに、薄くても今まで以上に強くするにはどうしたらいいかと考えたのがきっかけ」

同社は1980年代から「バリスティックナイロン」という高強度素材を開発していた。「ただ強いだけでなく、バリスティックナイロンより軽さにもこだわった素材を開発したかったんです」(担当者)。強度を維持しつつも軽くするためにはどうしたらいいのか、模索の日々が始まった。

ポイントは織り合わせている「高強力中空糸」だ。見た目は420デニールの超高強力糸と同じくらいの太さだが、糸の内部がマカロニのように空洞になっているため、実際は330デニールくらい軽い。この二つを織り合わせることで、強くて軽い素材を生み出すことができたという。

実際にバリスティックウルトラの生地と、一般的なリップストップナイロンの生地の引き裂きテストを体験した(ちなみに、どちらもあらかじめ同じ長さの切れ込みが入った状態でテストしている)。一般的なリップストップナイロンはある程度の力を加えるとビリビリッと裂けてしまったが、バリスティックウルトラはどんなに力をかけてもうんともすんとも言わなかった(成人男性の力でも裂けなかった)。さすが"超"高強力だ。仮にどこか一部分に破れが生じたとしても、そこから裂けて切れることはないという。

では実際に商品にはどう生かされているのか。例えば2017年春モデルのうち、バリスティックウルトラを全面的に採用した「リッジラインパック30」(1万6500円)は、一枚生地でできており、縫い目を最小限にすることでも軽量化に成功し、耐水性も高めることができている。重量は600gで、同社の同じ容量のバックパック「チャチャパック30」と比較すると、約半分の軽さに仕上がっている。「軽くて強い」からこそできたことだ。

風合いも良くなった

また超高強力糸と高強力中空糸の出合いは、「軽くて強い」というほかに、あるメリットも生んだ。

「通常のリップストップナイロンのように太さの異なる糸を織り合わせると、交差点ができてしまうので表面がデコボコします。そのデコボコが、地面で擦れたときにけば立ちやすい。引き裂きに強いという面に対してはメリットですが、摩耗は進んでしまうんです。それに比べて、バリスティックウルトラの高強力中空糸は、太さとしては420デニールで超高強力糸と同じ。太さが同等なので、織り込んだときにフラットな面になります。これにより、けば立ちのきっかけを作らない生地になりました」(担当者)

確かにバックパックの底部やフロント部分は、地面に置いたり背負ったりを繰り返すうちに摩擦でけば立ち、見た目がちょっとカッコ悪くなりやすい。使い込んでいる感が出るとも言えるが、強度面を考えるといいことではないのだ。

また、想像していた通りの「染め」に仕上がった点もうれしかったと担当者は話す。

「どちらの糸も一度でオレンジ色に染めていますが、超高強力糸は染まりが薄い。あまりにも強度が強いので、染料が入りにくいんですね。同じナイロンを一緒に染めながら、自然とこういった模様にできたのは、まさにモンベルのコンセプトである"ファンクション・イズ・ビューティー"というか。ファンクション(機能)を追求していったら、この見た目ができましたというような背景も、モノ作りの面白さだと感じています」

1975年創業のモンベルは、40年以上にわたってモノづくりを続けている。軽くて強いバリスティックウルトラは、これまでの知恵と技術があるからこそできた素材だろう。この新素材の登場により、今後より一層快適な登山や生活に役立っていくことは間違いない。

前述の「リッジラインパック」シリーズをはじめ、この春から林業用の防護パンツ、キャスター付きのトラベルバッグやダッフルバッグが登場しており、今後もラインアップが増える予定だという。

(文 山畑理絵、写真 茂田羽生)

[日経トレンディネット 2017年8月3日付の記事を再構成]

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