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「MGVs(マグヴィス)ワイナリー」の松坂浩志氏

「MGVs(マグヴィス)ワイナリー」の松坂浩志氏

かつて世界を席巻した日本の半導体。その製造技術をワイン造りによみがえらせ、再び世界を目指す経営者が山梨にいる。一見、何の関係もなさそうな半導体とワイン。しかし、両者には意外な共通点があった。

松坂氏は塩山製作所社長も兼任

この夏、甲府盆地は太陽に照らされ、ブドウの葉が青々と茂っていた。辺り一帯は、マンズワインやシャトー・メルシャンといった大手をはじめ、多くのワイナリーが密集する「ワイナリー銀座」だ。

そのワイナリー銀座を車で走ると、ブドウ畑の間から2階建ての四角い建物が姿を現した。黒っぽい壁の2階部分に白抜きで大きく「MGVs」の文字。4月にオープンしたばかりの「MGVs(マグヴィス)ワイナリー」(甲州市)だ。

MGVsは、Matsuzaka Green Vineyardsの頭文字。Matsuzakaは、オーナーの松坂浩志氏を指す。

松坂氏は、半導体部品の加工メーカー、塩山製作所(甲州市)の社長を兼ねる。二刀流の経営者だ。マグヴィスは同社の一事業という位置付けだ。塩山製作所は1953年の創業。後に半導体事業に参入し、日本の半導体メーカー大手が世界の市場を席巻していた80~90年代には、その下請けとして、相当数のダイオードを量産していた。

松坂氏自身は、もともとシステムエンジニアだ。だが、地元の塩山製作所に転職し、98年、40歳で社長に就任した。

ベトナムに生産移管を決断

しかし、経営を引き継いだ時は、他の国内メーカー同様、すでに半導体事業はアジア諸国の激しい追い上げで行き詰まっていた。日本のメーカーは低コストの海外に生産をシフトし始めた。

結局、国内は高付加価値製品の生産に特化し、それ以外はベトナムに生産移管することを決断。同時に、工場をワイナリーに改修し、ワイン事業に参入することを決めた。

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